母と子の「いのちの授業」命あるものを大切にする心を育む
富山テレビ放送
親子を対象に開かれている「いのちの授業」を取材してきました。 富山市の産婦人科吉本レディースクリニックで開かれた「いのちの授業」。 ここで生まれた子供とその親を対象に命の尊さを再認識し、命あるものを大切にする心を育もうと10年前に始まりました。 入坂由希子さんと小学4年生の彩生さんです。 *参加した入坂由希子さん Q)なぜ参加したのか? 「(彩生さんが)最近あまり話をしてくれないし、話をしてもうるさいって言って。自分自身が産んだ頃の気持ちを思い出したかったし、その時の気持ちも伝わるといいなと」 彩生さんを出産した頃の気持ちを取り戻したい、いのちの授業への参加は由希子さんたっての希望でした。 参加した小学生が親と離れ、向かったのは診察室。 赤ちゃんの成長の様子を体験します。 妊娠中のお母さんの大変さを体験したり、お腹の中の赤ちゃんの心音を聞いたり、お腹に命が宿った時から生まれるまでを自分の身体で感じました。 *参加した高森丞志さん 「お母さんが大変だったのがわかった」 *参加した中井優月さん 「産んでくれてありがとう。お母さんのような優しい人になりたい」 *参加した齋藤由愛さん 「ママが妹も産んで2回も重い経験をして頑張ってくれたなってすごいなって思う、これからも私たちを育ててくれるからありがとう」 入坂さんのお宅におじゃましました。 2014年4月17日、予定日を4日過ぎて彩生さんは産声を上げました。 幼い頃から食べることが大好きで、いつでも小さなカバンを腕に下げ自分の世界を持つ好奇心旺盛な女の子。 3歳の頃、弟が生まれて4人姉弟に。 負けず嫌いで男まさり、家族思いの優しいお姉さんに成長しました。 妹の誕生を心待ちにしていた2人のお兄さんに当時の気持ちを聞いてみると、 *長男 悠太さん 「下の凌匠よりも風船みたいにプニプニだった」 *次男 凌匠さん 「初めて妹ができるワクワク感。その当時は楽しかった」 今ではお兄さんたちが彩生さんの教育係です。 *母 由希子さん 「母が言わなくなるとお兄ちゃんたちが言ってくれる」 *次男 凌匠さん 「食事の時に左手を出していないと注意する」 *彩生さん 「もうちょと優しくしてほしい」 *三男 晃生さん 「(彩生の)優しいところが好き」 *父 吉也さん 「いつもみんなが笑顔でいられたらいい」 いのちの授業ではこんな再会も。 彩生さんを取り上げた助産師です。 *助産師 栗原かすみさん 「10年を実感する。日々知らない内に時間が経つ。こういう時間があって来てもらえると頑張ったねって」 *入坂由希子さん 「なかなか助産師との再会はない」 人生の中でひときわ重要なタイミング、我が子の「出産」で関わった助産師さんとの再会は大きな力を得ることができました。 *吉本レディースクリニック 吉本裕子院長 「普段、親子の仲はあたり前になっていることが多い。この子がここにいることその存在がありがたい、かけがえがない自覚を忘れがち。こういうことをきっかけにしてお子さんとの関係をもう一回改めて生まれた時の感動を思う出すことで、やっぱりこの子を大切にしようという思いになるのを目の当たりにすると、(いのちの授業は)価値のあること」 いのちに触れて親子で考え、話す時間を持ったこと、かけがえのないいのちを大切にする心を改めて感じたことで、当たり前の日常がどれだけ幸せなのかを教えてくれました。 *入坂由希子さん 「改めて生まれてきてくれてありがとうと思った頑張って下さったスタッフの方に感謝の気持ち。産めるならもっと産みたい。次はこの子に託して」 人が生まれること、命について親子で考えお互いに感謝の気持ちを持ったそんな瞬間がたくさんありました。 吉本院長は「10歳頃は子育てのステージが変わる頃、これまでの可愛いだけの子育てじゃない、思春期に入っていくけど親は、かけがけのない大切な子供なんだと思うそんな時間を持ってほしい」と話していました。
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