<森田成一×杉山紀彰>「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」インタビュー(1) 20年たっても変わらない「BLEACH」らしいチームワーク
杉山さん 僕はそんなことされたことないですね(笑い)。
森田さん そうですよね。リハーサルVTRを返す箱があるのに、僕に渡すんです。そしたら、みんな僕に渡すようになって……座長というか雑用ですよ! 昔からそういう現場だったので、そこが「BLEACH」らしいのかな? 昔からワイワイやっている現場だったので、チームワークもいいし、僕はうれしいですね。みんなすごい役者ばかりなので、その人たちがチームを組むことによる相乗効果も生まれるし、現場の温かさ、雰囲気がトップクラスなのが「BLEACH」らしさだと思います。「千年血戦篇」は、「BLEACH」を見て育った新しく若いキャストも入ってきます。みんなド緊張して、石仏みたいになっているんです。ただ、僕らのやり取りを見て、ほぐれているようにも感じていて、「楽しかったです!」と言って帰る姿を見ると、うれしくなります。
◇20年たっても変わらない
--テレビアニメがスタートした2004年から約20年がたちました。役者としてのお互いの印象は約20年前と変わった?
森田さん 変わっていないですね。
杉山さん 僕も変わっていないです。番組のスタート当時から森田さんは原作をとても大切にされていて、原作でこのシーンはこういう表情をしているから、アニメの動きではどうなるか?などの確認を細かくされていて、原作への愛情やリスペクトを感じ、いつもすごいな……と思っていました。座長として作品をよくしたいという思いがものすごく強く、それが周りにも伝わってくる。ありがたいです。作品に対する愛情、熱量がある座長で、作品を引っ張ってくれます。それは今でも変わりません。
森田さん 杉山君は同級生で、同じ年数を生きているのに、人間ここまで違うんだ……と感じています。僕はちゃらんぽらんなので(笑い)。杉山君は徹頭徹尾真面目でそれが全く変わらない。本当にすごいです。久しぶりに「BLEACH」で会って、変わらない姿を見せてくれることに安心感がありました。雨竜だけではなくて、それぞれのキャラクターを演じる皆さんが、そのまま続けていることもありがたいです。主人公は、一番目立つけど、ある意味では賑やかしなんです。ほかのキャラクターが、しっかりとした土台や壁を作ってくれて、それがないと瓦解してしまう。みんなが変わらないことが、20年続いている一つの理由だと思っています。元々、「BLEACH」は久保先生の類いまれなる頭脳の中から生まれてきていますし、スタッフ、キャストがみんなでしっかり作ってくれるから、僕自身が賑やかしとして遊べるんです。僕が「こう思ったのでやりたい!」と言って、やらせてもらえる。やり方は無数にありますが、僕は僕の一護をやりたい。杉山君が真面目に理路整然と整頓してくれるのは、ありがたいし、頼りになります。
インタビュー(2)に続く