セブン&アイ 初の共通セントラルキッチン「Peace Deli千葉キッチン」稼働 ヨーカドーなど首都圏SST事業 惣菜を圧倒的に強化
セブン&アイ・ホールディングスは、グループ初の共通セントラルキッチン「Peace Deli千葉キッチン」(千葉県千葉市)を2月27日に稼働させる。まずは首都圏のイトーヨーカドー約200店舗に惣菜などを供給する。21日の記者説明会で、同社の石橋誠一郎常務執行役員は「首都圏スーパーストア事業(SST事業)の成長を図る一環。新工場でインフラが整い、オリジナルの原材料・レシピ・製法を活かした惣菜の開発が可能になった」、イトーヨーカ堂の山本哲也社長は「惣菜カテゴリーを圧倒的に強化し、生活者に選ばれる店づくりを目指す」などと意気込みを語った。 セブン&アイグループのPeace Deli(ピースデリ)として「千葉キッチン」は3拠点目になるが、惣菜・ミールキット等のセントラルキッチンと精肉加工を行うプロセスセンターの機能を併せ持つのは初めて。
イトーヨーカ堂の山本社長は「消費者の約4割は惣菜でスーパーを選ぶ。しかし当社の惣菜はこれまでインストア作業が主体で対応に限界があり、生活者の変化や新しいトレンドに応えられていなかった」とした上で、「専用工場は大きな強みになる。店内作業による付加価値の高い出来立て・作り立ての要素は残しつつ、工場から新商品を積極的に投入して差別化し、従来の課題を解決していきたい。また店舗作業の負担軽減により、売り場で試食販売やPOPなど価値を伝える取り組みを強化できる。今後の店舗改装(62店計画)ではゾーニングを見直し惣菜売り場を広げていく」との考えを示した。当面、惣菜の売上構成比を現行13%から15%に引き上げることを目指す。 「千葉キッチン」の立ち上げには、4つの専用工場を持つグループ企業・ヨークベニマルの知見を取り入れ、生産ラインやレイアウトを踏襲した。設備の特長は、鮮度にこだわり素材本来のおいしさを引き出していることだ。例えばメンチカツやミールキットは、2階で精肉を加工し、フレッシュなまま1階の加工場で調理する。従来はメーカーから仕入れていたタレなどの調味料を内製化したこともポイント。肉じゃが等の煮物は毎朝工場で昆布・かつおから出汁を抽出し、店舗の厨房で焼き鳥などに使用するタレ類はこだわりの味わいを自社でチルド配送する。 一方、商品開発はプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」のプロセスを活用。ピースデリは日本デリカフーズ協同組合に加盟する。