バルセロナ元育成責任者「ヤマルは唯一例外的な存在だった。カタルーニャ出身だったが家庭や経済的な問題で寮に住まわせた」
バルセロナ育成部門の元責任者チャビ・ビラホアナ氏が、FWラミン・ヤマルについて語っている。 バルセロナの下部組織出身で、17歳ながらトップチームのエース格として活躍するヤマル。2015~2020年までバルセロナの育成部門を統括していたビラホアナ氏によれば、同選手がまだ幼かった頃、例外的な扱いを行ったそうだ。 スペイン『アス』とのインタビューに応じたビラホアナ氏は、カタルーニャ州のエスプルガス・デ・ジョブレガトで生まれ育ったヤマルについて、次のように語っている。 「ラミンについて、私たちは例外的な対応を行うことにした。というのも、ラ・マシア(バルセロナの下部組織の名称であり、寮のことも指す)に寄宿する若手たちは全員がカタルーニャ以外の出身者だが、彼については違ったんだ。私たちはラミンを取り巻く社会、経済、家庭的な環境が、成長を果たしていく上で完全に適切ではないと思った。もっと安定した、しっかりと管理された環境を必要としていると考えたんだ」 「私たちは彼をラ・マシアに住ませたいと思った。彼の両親にそのことを伝えると、熟慮した末に受け入れてくれたよ。実際、簡単なことではなかったんだ」 「ラミンの早熟ぶりに驚いているか? あれだけのブレイクは誰にも予期できなかった。巨大なポテンシャルを持っていること、ほかとは一線を画する選手であることは分かっていたがね。だが、あれだけ早くカテゴリーを駆け上がっていき、トップチームに適応するとは……全員が驚いているよ」 ラ・マシアからはトップレベルのストライカーが生まれないというのが通説だが、ビラホアナ氏はその理由についても説明した。 「フットボールで最も難しいポジションだからだ。バルサはゲームを支配するチームであり、だからこそ狭いスペースで輝けないといけないのだが、それは簡単なことではない。それに、得点力も持たなければいけないが、それは教えられるものではない。ゴールは持っているか持っていないかなんだ。だから点取り屋には大金が支払われるんだよ」 ビラホアナ氏はその一方で、今季トップチームでブレイクを果たしたMFマルク・カサドについても言及。ラ・マシアで育ったことがはっきり表れた選手と語っている。 「彼は個人で10点満点でな、コレクティブで9.5点の選手だ。それが自家製の選手の強みとなる。長い間同じプレースタイルに慣れ親しんできたことで、チーム全体を輝かせられるんだ。」