「命に関わる病気になると想像せず生きてきた」40代で”顕微鏡的多発血管炎”と診断。病名が分からずにうつ状態にもなった闘病生活
「顕微鏡的多発血管炎」あまり聞きなれない病名ですが、難病指定の疾患で早期に正しい治療が行われなければ命に関わります。あおいさん(仮名)は、下肢の炎症から始まって顕微鏡的多発血管炎を発症しましたが、最初病名が分からず4カ月にわたり不安な日々を過ごされていました。「命に関わるような病気になるとは想像もせず生きてきた」と語るあおいさんに、病名が分かった経緯や治療方法、病気になって分かった情報収集の重要性について詳しく話を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年9月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
蜂窩織炎での入院後、突然発症した「顕微鏡的多発血管炎」
編集部: まず初めに、顕微鏡的多発血管炎という病気について教えてください。 あおいさん: 「顕微鏡的多発血管炎」は、毛細血管や静脈などの臓器に分布する小型血管壁に炎症・血栓形成などが生じる病気です。好発部位は腎臓や肺、皮膚などで、臓器の機能が低下してしまいます。私の場合、肺は初期の治療で落ち着き、腎機能は正常の半分程度になりましたが皮下出血は1年ほどで治まりました。 編集部: 病気が判明した経緯について教えてください。 あおいさん: 2012年12月、下肢の蜂窩織炎(ほうかしきえん)という診断で近くの市民病院に緊急入院しました。年末でもありまだ完治していませんでしたが、病院の都合により1週間ほどで退院し、自宅療養中の数日後に発熱と息苦しさが出現しました。そこで、入院時の担当医に連絡して診てもらい、一月初旬に再入院となりました。何らかの膠原病ではないかとの判断で、抗生物質を使用する前にいくつか検査とステロイドパルスを実施しました。顕微鏡的多発血管炎の特徴でもある血液検査(ANCA)も陰性で、病名が分からないまま翌年4月に膠原病科のある大学病院へ転院しました。そこで、これまでの症状から「顕微鏡的多発血管炎」と診断されました。 編集部: 自覚症状などはありましたか? あおいさん: 発熱、息苦しさなどがありました。発症前は下肢の蜂窩織炎の疼痛や皮膚のただれなどの症状がありました。 編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? あおいさん: 「免疫系の疾患と思われるので、膠原病の急性期の標準治療であるステロイド投与によって、炎症を抑える治療を実施する」と説明を受けました。