千葉・銚子市の「入梅イワシ」ピンチ 水揚げは2021年の1割以下の1600トン 関東甲信の史上2番目に遅い梅雨入りが影響か
大量のイワシ水揚げも「入梅イワシ」はなし
なぜ今年は、入梅イワシが不漁となっているだろうか。 漁港を取材したところ、大量のイワシが水揚げされていたが、これらは入梅イワシとは言えないものだという。 ーー入梅イワシは? 漁業関係者: 銚子にまだ入ってない。雨が降って、だんだんだんだんと脂がのるんです。 ーー本来は、これよりもっと大きい? 漁業関係者: 大きいもん。百何十グラムの大きいイワシ。 漁業関係者によると、マイワシの中でも特に大ぶりのものを「入梅イワシ」と呼んでいるということで、今年は絶望的な状況だという。 ーー今年の状況はどうですか? 漁業関係者: もうダメだね。もうこれじゃ無理だよ、入梅イワシ。 ーー回復の見込みは? 漁業関係者: なし。
雨が降らず海水温上がり、陸上の栄養も共有されず
東京海洋大学の上田勝彦客員教授によると、梅雨入りの大幅な遅れとの関連を指摘した。 東京海洋大学・上田勝彦客員教授: マイワシっていうのは、比較的冷たい水温を好むイワシなんですね。今、全体的に雨が降らずに水温が上がっている状態の中で、その暖かい水温の中にマイワシは入っていけないっていうのが1つあります。 銚子漁港に揚がるマイワシは温暖化の影響で年々少なくなっているものの、今年は特に少なく、20日までの水揚げは約1600トン。2021年の1割以下にまで激減している。 さらに…。 東京海洋大学・上田勝彦客員教授: この梅雨の雨っていうのはものすごく重要で、陸上の栄養を海に供給する役割をしてるんですね。それによって漁場は形成されるんですけども、(今年は)それがうまくいってない。 通常梅雨の時期には、陸地の栄養が川などを通じて海に流れ込み、マイワシの餌となるプランクトンが増える。 しかし今年は梅雨入りが遅れたためプランクトンが少なくなり、マイワシが小ぶりになってしまっているとも考えられるという。 (「イット!」6月21日放送より)
イット!