全国出場には補助金 天然芝で打ち放題…“離島の子”を「内向きにさせない」環境整備
北海道の人口8437人の町から…東川大雪少年野球スポーツ少年団の手厚い練習環境
北海道の東川大雪少年野球スポーツ少年団は、昨年8月の「全日本都市対抗少年野球スポーツデポ淡路島大会」で全国ベスト8に進出。学童野球の最高峰といわれる「全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」でも、2019年に全国16強入りしており、メキメキ実力を伸ばしている。Full-Countでは、全国の気になる学童チームの“選手を育てる秘訣”に着目。小林弘明監督に話を聞いた。 【動画】僅か1時間で子どもたちの動きが“激変”…保護者も驚く強豪監督の指導 地元の東川町は北海道のほぼ中央に位置し、旭川市に隣接。人口8437人(2020年12月31日現在)の小さな町だが、チームは天然芝のグラウンド、バッティングマシン7台を備え、恵まれた環境で練習に取り組んでいる。 小学校教員の傍ら、2017年から指揮を執っている小林監督は「子育てを盛り上げようという町の方針もあって、自治体や地域の人々の応援のお陰で、すごい環境で野球ができています」と語る。 メンバー約40人が小学校高学年(4~6年)と低学年(1~3年)に分かれて練習を行う「東川ゆめ公園野球場」は、両翼80メートルで天然芝を敷設。町が土の入れ替えを含め、整備と管理を担っている。「素晴らしい球場で、町外のいろいろなチームが喜んで練習試合に来てくれますよ」と小林監督が笑顔で明かすのも、もっともだ。 町の補助金制度も充実している。小・中学生のチームが北海道大会や全国大会に出場する場合、経費の4分の3以内を補助する制度がある。「たとえば、僕らが全国大会に出場すると、子ども1人あたり15万円ほどかかりますが、町が3分の2を負担してくれます」と小林監督が説明する。 さらに「ある全国大会へ行った時には、いったん各家庭が15万円を立て替えた後、3分の2の約11万円が返ってくることになったのですが、当時のメンバーの親たちが『返ってくるお金の半分を集めて、バッティングマシンを買ってあげよう』と盛り上がってくれました」と振り返る。こうして少しずつ増えていったバッティングマシンが、いまや7台に上るわけだ。