2018年プロ野球開幕投手戦線に異常なし?!
オープン戦を通じて好調を維持したのはオリックス・西と、中日で史上最年少の開幕投手という栄誉を得ることが濃厚な左腕・小笠原、ロッテ・涌井の3人だ。 西は、この日、阪神戦の立ち上がりに打者2人だけで1点を許したが、オープン戦の防御率は12球団トップの0.49。また小笠原もロッテ戦に3回で1失点したが、防御率1.35は、12球団で2位につけている。また涌井も防御率は1.93で1点台を守って調整を終えた。 一方、不安な面を見せたのは優勝候補、ソフトバンク・千賀だ。100球をメドに先発したが、上腕部に張りを訴えて、わずか38球での降板となった。大事を取った降板で開幕登板は回避されないようだが、開幕投手には長いペナントレースを戦う上でローテーの中心になるという意味合いが込められているだけに不安は残る。 また広島・野村もソフトバンクの松田、デスパイネの一発を含む7安打を浴びて6回で5失点。今永、浜口、ウィーランドなど開幕投手候補がのきなみコンディション不良で出遅れ、押し出される形で2年連続の開幕投手に指名された横浜DeNA・石田も、西武の浅村、山川、中村のクリーンナップにまさかの3者連続本塁打を浴びるなど6回で4失点して、コントロールに課題を残したままの最終登板となった。 阪神のメッセンジャーもオリックスを相手に6回6安打3失点。一部、阪神OBの中からは「力が落ちたのではないか。去年のような勝ち星を期待できないと考えたほうがいいのかもしれない」という声も聞かれていた。右肩への不安もあり調整も遅れていた。不安要素を抱えた開幕投手の一人かもしれない。 4度開幕投手を務めた経験のある元中日のレジェンド、山本昌は、現役時代から「開幕は単なるペナントレースの百何十試合分の1の試合ではない」と語っていた。長いシーズンを考えると、今後も開幕投手同士のエース対決が続くだけに、開幕投手の成否は、チームの成績さえ占う重要なものとなるのである。