シングルファザーが離婚して12年後に知った、別れた妻が「自殺」という言葉に泣いた理由
厚生労働省の公表した『2021(令和3)年国民生活基礎調査の概要』(※1)、『令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果』(※2)によると、子どものいる世帯は全国に約1000万世帯あるという。 【一覧】日本中があっけにとられた…有名人の「結婚ランキング」意外な順位はこちら! ひとり親世帯はそのなかの1割強で、父子世帯はさらにその1割弱。父子世帯のなかで養育費を受けて面会交流を行っている世帯となると、全1000万世帯のうちわずか0.01%となる。 社会的に見ればレアケースだが、「わたしたちにとっては当たり前」という作家の仙田学さんは、娘たちが5歳と3歳のときに元妻と離婚していらい、3人家族として暮らしてきた。ふた月ごとに母親と娘たちだけで面会交流を今でも続けている。 帰宅直後の娘の寂しそうな様子が気がかりではあるものの、面会交流を重ねるにつれて、娘たちの母親が京都で宿をとって一緒に宿泊したり、お盆と正月には仙田さんが娘たちを連れて東京に連れていき、東京で宿泊をして帰ってくるようにもなった。 離婚して、最初の1年ほどは「また4人で暮らしたい」としょっちゅう口にしていた娘たちに、曖昧な返答で誤魔化していたが、同じひとり親の方に相談すると「ぼかすよりもはっきり伝えた方がいい」とのアドバイスを受けて、ときがくるのを待つことにした。 「シングルファザーが大後悔「別れた妻」との面会交流で起こった「想定外の出来事」…バスで泣く娘に心が痛んだ」につづき、思春期の娘たちを育てるシングルファーザーの、面会交流のある暮らしについて振り返る。
「パパとママって離婚したん?」
そのときは不意にやってきた。 晩ごはんを食べているときに、長女が「パパとママって離婚したん?」と聞いてきたのだ。 「そうやねん」とわたしは答えた。 そして、パパとママはこれからも別々に暮らしていくこと、4人ではもう暮らせないこと、でもパパもママもきみたちが大好きだということ、いつでも好きなときにママには会えるということを伝えた。 ふたりは真剣な顔で話を聞いていた。その日いらい、「4人で暮らしたい」とは言わなくなった。 かわいそうなことをしたな、とまた思った。でも、曖昧にごまかしていたほうがもっとかわいそうだった、とも。 この感覚はいまも強く残っていて、娘たちと話すときには事実をそのまま伝えるようにしている。 言い回しを子どもにわかりやすいものに変えることはあるが、ごまかしたりぼかしたりはしていない。曖昧な返事を返すのは、サンタクロースの正体を聞かれたときくらいだ。