慰霊の日前企画「白梅学徒隊の語り受け継ぐ『後輩宣言』」
新垣ゆきさん「(白梅学徒の1人は)自分が学徒隊として動員されるってなったから、家族が疎開をしなかった、やめたんですよそしたら家族が全員亡くなってしまったのね。大切なものをすべて失ってしまったんです」 きくさんから直接話を聞くことができなかった後輩へ新垣さんは現在も、平和ガイドとして託された記憶を語り継いでいます。 地域研究部2年生 山城咲和さん「どうして夢について希望を持っていた人がこんな目に合わなくちゃいけなかったんだろうって思いが強くなった」 地域研究部2年生 安里佳隆さん「(当時の人は)自分たちが想像できないようなすごく苦しい気持ちだったと思う。その気持ちが伝わるように(後輩に)伝えれたらと思います」 地域研究部2年生・松永明咲さん「軍国主義教育を受けていた彼女たちにとって戦いに参加するのはあたりまえのことだと親を説得して離れる方もいたそうです。皆さんなら親を説得してまで戦争に参加することを選べますか」 戦後から79年が経ち今、中山さんの姿はありません。ですが、彼女が残したバトンは確実に次の世代へと受け継がれています。地域研究部の後輩宣言はことし、20年目を迎えます。
地域研究部2年生・松永明咲さん「人自体は今も昔も変わってないけど、周りが変わってるっていうのが大きいと思うので、戦争がもう二度と起きないようにこれからもこの活動、フィールドバックを続けて、後輩たちにも継承してもらいたいなと思います」 新垣ゆきさん「彼らが受け取ってくれたものっていうのは絶対次々(広まって)くれるのかなっていう。私たちに出来ることは当時の記憶を絶対に風化させないで伝えて、それを守っていくこと。戦後を守っていくことだと思います」 きくさんとの別れから1年あまり、最近、「あるもの」が見つかりました。きくさんが生前、新垣さんら地域研究部の活動が取り上げられた新聞記事などを一つ一つ大切にとっていたことが分かったのです。さらに… 新垣ゆきさん「『あなたのファイルあるよって』言われて。(きくさんが)亡くなって3カ月とかしてからかな」 「新垣ゆきさん」と書かれたファイルには、これまで新垣さんがきくさんに送った手紙も大切に綴られていました。 新垣ゆきさん「それだけ目をかけてくれたということがうれしかったです。気にかけてくれる、残そうとしてくれている…うれしかった」 新垣さんは最後、”今きくさんに手紙が届くなら?”という私たち質問に、その思いを書いてくれました。 新垣ゆきさんへの手紙「前略、きくさんのところから私達の姿は見えていますか。きくさんが旅に出て一年余り。いろいろなことがありました。昨年、きくさんと出会い白梅について学び語り始めてから二十年が経ったんですよ。二十年、あっという間だったけどそこにきくさんがいないのは寂しかったです。二十年の節目に、県から草の根平和貢献賞をいただきました。きくさんにも見せたかったです。きくさんから授けられた託された平和を願う記憶の種は、これからもしっかり拡げていきます。だから、心配せずに旧友との青春を取り戻してくださいね」
QAB 琉球朝日放送