「プラレール」で無限の組み合わせ“レイアウター”を職業にした男性 きっかけは「病気の息子のため」
イベント会場などで「プラレール」のオリジナルレイアウトを組み立てる「レールトイ・レイアウター」の男性が鳥取県にいる。彼の活動は、シングルファーザーとして重病の息子を支えた親の愛がきっかけで始まった。 【画像】プラレールのレイアウトをもっと見る
プラレールのレイアウトを仕事に
「イメージの具現化ができる。自由な発想でできる」と、誰もが一度は目にしたことのあるプラスチックのレールを小さな列車の模型が走る鉄道おもちゃ「プラレール」の世界について熱く語るのは、鳥取・倉吉市の真壁浩志さん(45)。 「レールトイ・レイアウター」の肩書で活動し、「プラレール」で様々なレイアウトを実現させることを生業にしている。 見る人を圧倒する、立体的なレールのタワー。 そして、複雑な曲線レールはコンパクトに収められ、まるでラビリンス。 プラスチック製のレールを組み合わせて組み立てられたレイアウトは、もはやアートの域だ。 10年ほど前からイベント会場などに招かれ、「プラレール」をレイアウトしている。 今では「レールトイ・レイアウター」を名乗り、これを仕事にしてしまった。
卓越した技と表現力が世界から注目
組み立てを手がけたレイアウトや、その制作過程を紹介するYouTubeチャンネルは登録者約13万人にのぼり、動画の再生回数は、最も多いもので5000万回を超えている。 視聴者の8割は海外からだといい、プロとしての卓越した技と表現力が世界から注目されている。 この日は、鳥取・大山町の温泉施設を訪れ、週末のイベントに向け、会場でレイアウトを組み立てた。 プラスチックのレールを使って、いかに立体的に、そしていかに整然とレイアウトしていくか、技術とセンスが問われるという。 その極意について聞くと、真壁さんは「この組み合わせかっこいいなというのを最初に作る。そこからそれをつなげていく。点と線を結ぶ感じ。いつもノープラン」と、ひょうひょうとした表情で教えてくれた。 レイアウトに使うレールやパーツは全て自前で用意。 購入には年間100万円以上をつぎ込むといい、もはや「プラレール」に生活の全てを捧げている。 今では、「プラレール」のプロとして活動する真壁さんだが、実は子どもの頃は「プラレール」に全く心をひかれなかったという。 大人になってから、レイアウトづくりにのめり込むようになったそうだが、それにはあるきっかけがあった。