LGBTQ+要素が深める上質な人間ドラマ。
#03. 「Sence8 センス8」 異物を排除する力に、テレパシーで対抗!
性別適合手術を受けたことを公表しているウォシャウスキー姉妹の監督作。恋人の女性とサンフランシスコに住むトランスジェンダー女性のノミ・マークス(ジェイミー・クレイトン)、副社長で格闘家のソウルのサン・パク(ペ・ドゥナ)、恋人の男性とメキシコに住む俳優のリト・ロドリゲス(ミゲル・アンヘル・シルベストレ)ら異なる地に住む8人の男女が突然テレパシーで結ばれ感覚や感情を共有。彼らを追う謎の組織BPOと対峙していく。シーズン2で完結。「さまざまなアイデンティティを持つ者たちが理解し合うことの難しさ、繋がった時の喜びが壮大なスケールで描かれている。ペ・ドゥナの格闘シーンも痛快」(かわむら) 「窮地の時に助け合う8人の姿はこれからの世界に希望を見るよう。"異質"を排除しようとする絶対的な力に立ち向かう彼らの勇気に奮い立たされる」(山崎)
#04. 「グレイス&フランキー」 熟年離婚に直面する傑作コメディ。
エミー賞に3年連続ノミネートされた全7シリーズの人気ドラマ。セレブな夫婦のグレイス(ジェーン・フォンダ)とロバート(マーティン・シーン)、フランキー(リリー・トムリン)とソル(サム・ウォーターストン)。夫同士がビジネスパートナーで仲が良く、家族で交流しているが、妻同士であるグレイスとフランキーは気が合わない。ある日の4人の食事会で、夫たちに20年前から愛し合っていて結婚したい、と告白されて衝撃を受ける。衝突しながらも絆が生まれるグレイスとフランキー、ロバートとソルの新たな生活が始まる。「人生の歩き方、家族の在り方をコミカルかつハートウォーミングに魅せる。リリー・トムリンは42年間交際してきた同性のパートナーと70代に入って結婚したが、ジェーン・フォンダとともに今作で見せる戸惑う妻役も見事」(かわむら)
#05. 「ラスト・フレンズ」 DVなど社会問題にも切り込んで挑戦。
「ラブジェネレーション」など数々のヒット作を世に送り出した浅野妙子脚本。美容師のアシスタント、藍田美知留(長澤まさみ)は、恋人の及川宗佑(錦戸亮)と同棲する。ある日再会した学生時代の親友でモトクロスの選手、岸本瑠可(上野樹里)から美知留のもとへ届いたメールを男からの連絡だと誤解する宗佑。激高する宗佑に暴力を振るわれた美知留は、瑠可が住むシェアハウスに逃げ込む。DVやセックスレスといった問題に切り込み、深い悩みを抱える若者たちが、人と人との関わりの大切さを学んでゆく。「衝撃だったのは、岸本瑠可が性同一性障害であったこと。女性の友人を想う恋心。男性の友人から想われてしまう葛藤。難儀な家族の理解、と22歳の女性には重すぎる受難が続いた。こちら側にも、肝臓にかすり傷を負ったような重さがあった」(小林)