バスやトラックで「左後ろのタイヤ」の脱落事故が急増している意外な理由
● 良心的なドライバーは ショップに任せた方が良い!? さて、ここまで読んでくださった読者の中には、もしかすると「大型車の話でしょ?」「自分たち一般ドライバーには関係ないね」と思っている人がいるかもしれません。ですが、「左側のタイヤ」に大きな荷重がかかっているのは乗用車も同じであり、他人事ではありません。 今年5月、北海道小樽市の国道で、走行中のワンボックスカーのタイヤが1本外れる事故が起きましたが、外れたタイヤは「左後輪」でした(※1)。幸いにも人にぶつかる被害はなかったそうです。冬にはスタッドレスタイヤ、春になったらサマータイヤに交換するドライバーは、同様の事故に要注意です。 また、こちらは少数派の「左前輪」ですが、北海道札幌市では2023年11月、軽自動車から脱落したタイヤが女児を直撃する事故が起きました。女の子は意識不明の重体のままだといいます。軽自動車の所有者の男は、この軽乗用車を不正に改造した上で、点検整備を怠ったまま知人に運転を依頼したとのこと。クルマの所有者と、運転手を務めた知人はともに逮捕されています(※2)。 (※1、2はいずれも「北海道ニュースUHB」を参照) この事件は特殊かつ悪質な例であるものの、「自分でクルマに手を加え、点検整備を怠ると事故につながりやすい」という教訓は、あらゆるドライバーに当てはまると言えます。良心的なドライバーは、タイヤ・ホイールの交換をショップにお願いした方が安全かもしれません。 ですが、万が一ショップに頼んだのに車輪脱落が発生した場合は、「運転者の過失」が問われてしまいます。そのため交換後は日常点検に加えて、乗車前に「ナットの緩みがないか」を入念に確認してください。
吉川賢一