YouTubeはなぜ映像クリエイターを支援するのか?
YouTubeで映像を発表する海外の若者が、2013年に約4億円もの収益を得ていたと伝えられた。誰しもこうした一獲千金を夢見るものだが、「自分には腕がない」「機材を揃えるお金がない」と考えがちだ。しかし、もしあなたが素晴らしいアイデアを持っていて、それをカタチにする支援が欲しいと心から望んでいるのだとしたら、それは名を挙げるチャンスかもしれない。ほかでもないYouTubeがそれを手伝ってくれるからだ。
映像制作を支援するYouTube Space
東京・六本木ヒルズの一角にテレビ局のセットと見紛うようなスタジオがある。料理番組用のキッチンやニュース番組風のセットが所狭しと広がっており、編集機材はもちろん、クロマキー合成ができる設備やカメラクレーンまでがそこにある。 ここは、映像クリエイターの映像制作を支援するYouTube Space Tokyoだ。クリエイター同士がコラボレーションをする場であり、映像を生み出す場所として、東京をはじめ、ロスアンゼルス、ロンドンにも展開している。年内にはニューヨークにも開設される予定だ。 YouTubeでコンテンツのアドバイスやコンサルテーションを行うパートナー・オペレーションズ 北東アジアマネージャーの舩越貴之さんは、この場所の意義についてこう話す。「動画を作るアイデアはあるけれど、機材が足りない、スキルがないという悩みを持っているユーザーさんがいます。そうした悩みを解決するための場所なのです」。 YouTubeパートナープログラムに参加し、YouTubeのチャンネル登録者数が100人以上あるなら、申し込みをすることで、編集ソフトFinal CutなどがインストールされたMacProや編集設備が利用可能だ。「編集機材さえあれば、いい動画が作れるのに」と悩むユーザーにとっては大きな助けになるだろう。 舩越さんは「チャンネル登録者数100人というのは、さほど高いハードルではないと思います」と言う。いちから映像クリエイターを「育てる」のではない。腕に覚えがあったり、視聴者からの手応えを感じたりしたクリエイターが、さらに成長するための場所なのだ。 クリエイターは活躍に応じて、スタジオや機材を無料で利用できる機会も与えられる。チャンネル登録が8000人以上になると、セットや衣装、メイク、スタッフなどよりハイレベルなサポートが受けられるチャンスもある。 YouTube Space Tokyoでは、ワークショップやトレーニングプログラムが週に2~3回開かれており、クリエイター同士が集い、お互いのスキルを提供しあって、コラボレーションしている。