「不適切にもほどがある」で注目、株価下がる一方も刺激的だった時代 今は一時的に大きく下げる場面は絶好の仕込み場
【兜町地獄耳】 証券ライター 連休中に為替市場が1ドル=160円をつけたな。160円は、34年ぶりだ。 アナリストA 160円をつけた直後に、為替介入とみられる動きがあって、一気に155円台に戻す場面があった。 ライター いまのところ、神田真人財務官は「ノーコメント」としているが、まず間違いないだろう。 A 日本の株式市場は祝日だったが、日経平均先物市場では、米国企業の好決算で800円以上も上昇していた最中だった。 ライター 現物株市場が休場ということもあって、いいタイミングだったな。 A 34年前といえば、1990年。ちょうど、新入社員として証券会社に入社した年だ。バブルが弾けたとはいえ、まだバブルの名残が感じられた時代だった。 ライター 入社1年目から、かなりのボーナスをもらったんじゃないか? A 100万円にギリギリ届かなかったと記憶している。封筒に入れた新入社員のボーナスが、1万円札の厚さで立つと言われた時代だ。その後、何年間も、その金額を抜けなかったけどな(笑)。 ライター 最近は、大手企業は賃上げラッシュだけど、われわれフリーライターの原稿料は34年前とほとんど変わらない。ボーナスや賃上げなんて羨(うらや)ましいよ。 A だけど、俺たちと違って、株は自由に買えるだろ。それでもうければいいじゃないか(笑)。 ライター それはそうなんだけど、4月の株価急落で年初からの勝ちをすべて溶かしてしまったよ。 A そういえば、最近は若い世代から80年代とか90年代の昭和の時代が注目されているみたいだな。 ライター 「不適切にもほどがある」というドラマの影響もあるらしい。今考えれば、確かに不適切な時代だった(笑)。 A でも、刺激があって楽しい時代だったよ。90年以降、株はどんどん下がっていったけど……。 ライター あの当時から株をやっている投資家は、「株は下がるもん」だと思っている。だから年初からの上昇相場には、玄人投資家ほど、乗れていなかったみたいだ。ところで、5月以降の相場はどうなりそうだ? A 基本的には米国の金融政策次第だな。早期の利下げ期待が遠のいているが、いずれ利下げに打って出るのは間違いない。だから、一時的に大きく下げる場面は絶好の仕込み場じゃないか。