花贈るイケメン集団で話題 愛知「花男子」が生まれた理由
日本一花をつくる町を「花を贈る町」へ
全国1位の花の生産地・愛知県の中でも花の一大産地である東三河エリア。花の需要は減っていくばかりの危機的状況にある花業界を復活させようと“花男子(はなだんし)”は誕生した。音楽に合わせてブーケをつくり花を贈るイケメン集団にクチコミからオファーが増え、現在年間50以上のイベントに参加。日本一花をつくる町を、日本一花を贈る町へ。結成から現在までとこれからについて“花男子”プロジェクトの近藤代表に詳しく聞いてみた。
花業界ピンチが誕生のきっかけに
“花男子”プロジェクトの近藤代表は園芸店の2代目として、商品を仕入れて小売店に提供する仲卸の仕事をしている。勢いのあったガーデニングブームに陰りが見え始めた後、取引先である花屋が次々に閉店していき、花の生産者も減ってきてしまった。このままでは花がなくなってしまうのではという危機的状況に近藤代表は立ち上がった。 「花業界の仲間たちで集まって話し合いました。日本一の花の生産地であるのに、当時は地元の人すらも知らない状況。需要がなくなってしまったのであれば、消費する活動を始めてみてはどうか。そこで、ヨーロッパみたいに男性から女性に気軽に花を贈る文化を、日本で広めてみてはどうかと考えました」 花贈りという文化が広まれば、花の消費が増え、結果、花業界が活性化する。この考えから“花男子”は生まれた。ネーミングは誰が考えたのか。「話し合いの中でメンバーのひとりが書いたメモ書きですね。当時、なんとか男子も多かったので。これはイイ!と即決でした」
花贈るイケメン集団に全国から次々オファー
2011年12月、第1回のパフォーマンスが開催された。「ただ花を配るだけでは面白くないので、同じ衣装に身を包んだ男性が音楽にあわせてブーケを作り、次々と会場の女性に渡していきました」 男性から花を贈られるのはやはり特別感があるのか、はたまた男性たちがイケメンだったからか、女性たちの反応は想像以上。イベントに参加していた人からの依頼で、次回開催が決まり、またそのイベントを見た人からも依頼が入るといった形で、行えば行うほど、イベント開催が決まった。 取材が入りメディアに登場するようになると、さらにオファーは増えていった。「パフォーマンスをしてみて、参加してくれた人の反応を見られたことは大きかったですね。花を贈ること、贈られることを人はこんなにも喜んでくれるのだと。花の可能性を感じましたし、世の中に花はやっぱり必要なのだと確信できました」。 開催していく中で、パフォーマンスも変化させていった。ブーケを渡すだけでなく、花贈りの文化を広げるため、前半はブーケを作り、後半は観客に花贈りを体験してもらう2部構成に。花贈りのシーンを盛り上げるためのMCも取り入れることにした。 「初めは恥ずかしいと言っていたお客様でも、実際に体験するととてもいい笑顔を見せてくれる。どんな人の人生にもドラマがある。パフォーマンスしているこちらも、見ている観客の人も涙する感動的な花贈りのシーンに必ず出会えます」。目指すは、世の中のすべての人が花贈りをして、花贈りが日常になること。「僕たちのパフォーマンスをみて、花を贈ることがすてきだと感じたお客様が、自分もしてみようかなと思って花屋に寄ってくれればうれしい」