もう、ダメ…年金月12万円「老人ホーム」で楽しく暮らしているはずの75歳母のか細い声。新幹線に飛び乗ってきた42歳娘は嗚咽、目の当たりにした〈まさかの惨状〉【FPの助言】
家族と協力することでとれる改善策
こうした問題を解決するためには家族の協力が必要不可欠です。もっと金銭的な余裕があれば、焦って決断する必要もなかったことでしょう。事前にとれる財務的な解決策を考えます。まずは、公的介護保険の活用方法を確認することです。 日本では公的介護保険制度があり、要介護認定を受けた人は、特定の介護サービスを受ける際に費用の1割~3割を負担するだけですみます。 老人ホームでも、特定のサービスに対して介護保険が適用される場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。特に、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームでは、介護保険が適用されることが多いです。これらの老人ホームは待機老人が多い傾向にあるため、早めの動きが必須です。悩んでから動くのではなく、早いうちから話し合う必要があります。 また、民間の介護保険や年金保険の活用も検討できます。これらの保険商品は、介護が必要になった際に給付金を受け取ることができ、施設入居費用や在宅介護費用の一部を補助する役割を果たします。商品によって給付条件や金額が異なるため、家族のニーズに合わせて選択することが重要です。 資産運用も有効です。たとえば、以下のような手法があります。 ・リバースモーゲージ:自宅を担保にして融資を受け、生活費や介護費用に充てることができます。借りたお金は、本人の死亡後に自宅の売却などで返済する仕組みです。自宅を手放すことなく資金を得られるため、高齢者にとって有力な選択肢です。 ・投資信託や株式運用:中長期的に資産を増やすことを目的に、家族の資産を投資信託や株式で運用することも可能です。適切なリスク管理を行いながら、少しずつ資産を増やすことで、将来の介護費用に備えられます。 さらに、家族が定期的に面会に行くことも、高齢者の心の支えとなります。老人ホームに入居しても、家族とのつながりを感じられることで安心感が生まれ、心のケアにつながります。 最後に、老人ホームがすべての問題を解決する場ではないことを家族が理解し、適切な選択とサポートを行うことが、高齢者にとっても安心な生活を提供するための鍵となります。 波多 勇気 波多FP事務所 代表ファイナンシャルプランナー
波多 勇気