村田はレナード、ハグラーを超える!
歴代ミドル級の名王者に負けないボクサーになる
全米の大物プロモーターがやってきた。ヘビー級のビッグファイトをプロモートしてきたドン・キングに対抗して、ハグラーやレナード、デラホーヤなどの中量級の人気スターを発掘してきたボブ・アラム氏だ。ハーバード・ロー・スクール出身という知性派でハグラー vs レナードなど数々の伝説ファイトを仕掛け、パッキャオやメイフェザーというスーパースターを創った。村田とプロモーター契約を結んだためデビュー戦に備え来日したもの。80歳になって野心に溢れる辣腕プロモーターは、この日、メディアのインタビューに応えたが、冷静に言葉を選び、時には、エンターテイメントビジネスを手がけている人物らしいリップサービスも交えながら、具体的に村田の世界進出プランを明らかにした。 ――村田は、プロで通用しますか? 「アマチュアはポイントを争うボクシング、プロは強いパンチを当てダメージを与えねばならない。そういう意味でロンドン五輪での村田の戦い方を見ていると非常にプロ向きだと思った。動きも速い。そして頭がいい。ハンドスピードも速い。そして、世界中のボクシングファンが待ち望んでいる戦う姿勢というものを持っている。世界で成功するボクサーになるだろう」 ――高い評価ですね? 「昔のミドル級では、アルゼンチン人のカルロス・モンソン、イタリア人のニノ・ベンベヌチが、ヨーロッパや南米だけでなく世界的な人気ボクサーになった。逆にハグラーなどは、米国だけでなく欧州でも人気があった。村田も、世界的規模で人気の出るボクサーだと思う」 ――世界タイトルは取れますか? 「普通はアマからプロへの転向の場合、イージーな相手でデビューするのが慣例だが、本田会長は『リスクを犯す準備ができている』と、この東洋王者とのカードを組んだ。世界タイトルを取るのは当然だし、それ以上に、歴史的なボクサーになれると思う。私は、ミドル級では、ハグラー、レナード、ハーンズ、デラホーヤ、ロイ・ジョーンズ、ディランらをプロモートしてきたが、それらの歴代のスーパースターと比べても、負けないほどの偉大な歴史に名を残すボクサーになるだろう」 ――いつ世界タイトル戦を組みますか? 「2週間以内に組んでも不思議ではない(笑)。デビュー戦の後、2、3試合後にも、組もうと思えば組めるだろう。私は同じくウクライナのロンドン五輪のフェザー級の金メダリスト、ワシル・ロマチェンコと契約してプロデビュー戦を10月12日にラスベガスで組んだ。世界ランキング3位のジョナサン・オケンド(プエルトリコ)との10回戦。マルケス対ブラッドリーのWBO世界ウェルター戦のアンダーカードだ。アマのトップボクサーをランクの上位ボクサーにぶつけていくのが、私のやり方だ。もし勝てば、同日、オルランド・クリスと、オルランド・サリスの間で行われるWBO世界フェザー級王座決定戦の勝者に、来年、MSGで世界挑戦する予定になっている。しかし、村田に関しては急がせたくない。12ラウンドを戦えることを見せてもらいたいし、いろんなスタイルのボクサーとの対戦経験もいるだろう。だが、今後、どうするかの答えは、明後日の試合後にコメントしていいかな?」