在日中国人が中国人移住者の言葉に大激怒…日本に長期間住む中国人の「意外な悩み」
在日中国人と中国人の間にある価値観の溝
日本に投資したり、移住したりする中国人が増えている。彼らが頼りにしているのは、言葉が通じる在日中国人だ。在日中国人の中には、莫大な資産を持つ彼らから声を掛けられ、一緒に事業を行ったり、彼らの日本移住のためのサポートをしたりする人が少なからずいる。 【写真】実はいま中国に帰国する「在日中国人」が増えている 中国から来た人のおかげで、仕事が増えたと喜ぶ人もいるが、その一方、「中国流のやり方」に馴染めず、苦悩することがある。日本に長く住む在日中国人は、ある程度日本ナイズされており、中国流のやり方や考え方に戸惑ってしまうからだ。 東京の山手線の沿線に事務所を持ち、コンサルタント業を行なっている陳さん(仮名)もそのひとり。陳さんは日本在住歴20年以上。日本語も堪能で、長年、日本と中国の橋渡し的なビジネスを行ってきたが、コロナ禍が明けて以降は、富裕層の中国人経営者が日本に投資するのを手伝うようになった。陳さんは当初それを喜んでいたが、それもつかの間、悩んだり、考え込んだりすることが増えた。陳さんは次のように打ち明ける。 「上海からやってきた投資家が私の事務所にやって来たときのことです。その投資家は、私の狭いワンルームの事務所に足を踏み入れるなり、『えっ、ここが陳さんの事務所なの?陳さん、そんなにお金ないの?こんなボロいところで……』と言ったのです。 私は外回りの仕事も多いですし、パートタイムの事務員がたまに来るくらいで、事務所はほとんど使いません。便宜上、事務所を借りているだけなのですが、その投資家はそういうひどい言葉を私に浴びせたのです。それだけではなく、『自分と仕事をするなら、もっといいところに事務所を構えてよ。恥ずかしいから』とまで言ったのです」 陳さんは悔しさで胸がいっぱいになったそうだが、その人との仕事は失いたくないこと、その事務所があるビルが老朽化していたこともあって、思い切ってオフィス街にある新しいビルに移転したそうだ。 陳さんは言う。 「中国では見た目にこだわり、見栄を張る人、メンツを気にする人が多いです。もともとそういう気質がありますが、成金の経営者はとくにそうです。事務所の立地や広さ、乗っている自動車のブランドなどで人を判断することが多いですが、私とその人はあくまでもビジネスパートナーというだけなのに、ここまで失礼なことを言われるとは思いませんでした」