「伊賀良寄席」一番最後に昇進披露 小春志さん 磨いた芸で魅了【長野県飯田市】
伊賀良落語愛好会主催の第76回伊賀良寄席が10日夜、長野県飯田市高羽町の飯田人形劇場であった。全国で最後となる立川小春志(こしゅんじ)さんの真打ち昇進披露の会として、先輩の立川生志(しょうし)さんをゲストに迎えて開き、多くの来場者が新真打ちの話芸に聴き入った。 小春志さんの1席目は、江戸っ子のたんかが聴きどころの「三方一両損」。前座の頃から伊賀良寄席に育てられたことに感謝すると、よどみない口調でまくしたてる江戸っ子2人を楽しく演じた。 昇進披露の口上をはさんだ2席目では、人情話「子別れ」の下「子は鎹(かすがい)」を熱演し、成長の過程を見守ってきた常連客らを魅了した。 昇進披露口上には、愛好会の木下浩志さん(72)も紋付きはかま姿で登壇し、「名古屋や横浜、東京の落語会にも足を運んで真打ちになるまでの道のりを見てきたが、名古屋公演では『私が落語界を背負う』くらいの心意気を感じた」とめざましい成長をたたえた。 小春志さんは「42歳のここからがスタート。長生きを目標にずーっといきたい」と、息の長い活躍を誓った。 生志さんは、初期の伊賀良寄席に出演した際の談志さんとの思い出話をたっぷり語ってから、たいこ持ちと若旦那が登場する「太鼓腹」で笑わせた。