<美濃加茂事件>「最年少市長の汚職」に判決 “異例”の裁判の争点は?
「若さ」への期待と不安
藤井市長は2013年6月、前市長の病気療養に伴う市長選に立候補し、初当選。若さとクリーンさが期待される「イケメン」市長として大きな注目を集めました。 そのイメージを裏切るような事件に、逮捕後は市民にも動揺が広がりましたが、後援会を中心とした市民が続々と支援を表明。主任弁護人に就いた元東京地検検事の郷原信郎弁護士による発信もあって、早期釈放を求める署名は2万人分を超え、逮捕から約2か月後に保釈が実現しました。公務に復帰しながら裁判を続け、現在は3日に開会した市議会の3月定例議会に臨んでいます。 筆者は初公判から裁判を傍聴してきました。中林社長は一見、おどおどした気弱な印象で、知人から何千万円もの大金を借りて詐欺を繰り返し、ファミリーレストランで白昼堂々「少ないけれど足しにしてください」と賄賂を渡したという大胆さとはなかなか結びつきません。しかし、公判では暴力団との接点を明かすなど、抱え込む「ヤミ」の深さがうかがえました。 藤井市長は保釈直後こそ疲れ果てて見えましたが、裁判では力強く無罪を訴え続けてきました。ただ、若さゆえの行動力が、業者との距離の近さなどで裏目に出ることもあり得るだろうという印象も持ちました。 「私だけでなく、この事件の影響を被ることとなってしまった多くの人が、納得できるような公正な判決をお願いしたい気持ちでいっぱいです」と最終弁論で訴えた藤井市長は、納得できる判決を聞くことができるでしょうか。 (関口威人/Newzdrive) ※名古屋地裁で5日午後に行われた判決公判では、藤井市長に無罪が言い渡されました。