イカの生き造り料理店「河太郎」のクラフトビール醸造所、水深7メートルの海中展望塔…玄界灘の景勝地の新観光拠点
◆◆呼子朝市通り◆◆
玄界灘に面し、豊かな食文化や守り継承される景勝地、伝統文化が息づく佐賀県唐津市。地域の魅力をさらに高め、発信する二つの施設が市内の呼子町と鎮西町にオープンし、観光客たちの目を引いている。唐津に生まれた新たな観光拠点を訪ねた。 【写真】古民家を活用した醸造所は、醸造機器を見ながら飲食を楽しむことができる 海産物を売る呼子町の観光名所「呼子朝市通り」。通り沿いの古民家を活用して、クラフトビールの醸造所が立つ。イカの生き造り料理店を展開する「河太郎」(福岡市)が設置し、昨年12月に正式オープン。港町のにぎわいづくりへの貢献を目指している。 醸造所の名前は「Whale Brewing(ホエールブルーイング)」。かつて捕鯨で栄えた地域にちなんだ。店舗機能を備え、熟成タンクなど醸造機器を見ながら注ぎ立てのクラフトビールが楽しめる。河太郎オリジナルの「イカカツ」「イカつみれ揚げ」なども、その場で食することができる。 醸造と運営は、金融機関を早期退職後に呼子に移住した近藤健一所長(56)と妻京子さん(40)が切り盛りする。オープンから半年がたち、ホテルや旅館、飲食店などがクラフトビールを取り扱うようになった。新たに地元スタッフも加わった。近藤所長は地域の協力に感謝しながら、「朝市から始まる呼子の一日にふさわしい、楽しい味わいのクラフトビールを造りたい」と意欲を見せる。 販売するのは、すっきりした喉ごしの「ペールエール」、爽やかで苦みもある「IPA」、フルーティーな「ヴァイツェン」の3種。カップ1杯700円からで、瓶売りは1本770円から。営業時間は平日午前9時~正午、土日祝日午前9時~午後1時。月曜定休。ホエールブルーイング=0955(82)5670。
◆◆玄海国定公園波戸岬◆◆
鎮西町の景勝地、玄海国定公園波戸岬にある「玄海海中展望塔」は、最新のデジタル映像技術を駆使した施設として、4月1日にリニューアルオープンした。波戸岬の陸側から86メートルの桟橋で結ばれた施設に入り、らせん階段を降りて水深7メートルにある海中展望室へ。そこには、幻想的な海中世界が広がっている。 海中展望室はドーム型になっている天井部分に、色彩豊かな映像を360度投映。窓からクロダイなどの魚が泳ぐ実際の海の中を観察できることに加え、デジタル映像の海中世界が楽しめる仕掛けだ。訪れた観光客からは「わあ」と感嘆の声が上がった。 「この海中、フツーじゃないぞ」とPRする唐津市によると、再開から2カ月を経ずして2万人近くが訪れる人気ぶりという。入場料は高校生以上千円、小中学生500円。玄海海中展望塔=090(3464)5337。 (庭木香充)
異色のコラボで観光資源PR
佐賀県唐津市は新日本プロレスリング(東京)と異色のタッグを組み、観光や特産品など地域の魅力を発信するコラボレーション事業に取り組んでいる。 3年目となる2024年度は、ミュージックビデオ(MV)の第2弾や観光ガイドブックを制作するほか、携帯の待ち受けカレンダー(5月~来年3月)の配信などを計画。MV第1弾では、歌詞で「唐津」を36回連呼。唐津への愛が評価され、映像祭など複数のコンテストで賞を受けた。 3年目も、唐津くんちや唐津城、虹の松原、波戸岬、名護屋城跡、呼子朝市といった観光資源を、新日本プロレス社長兼レスラーの棚橋弘至さんや獣神サンダー・ライガーさんらが、市民と一緒にPRする。