故郷思う難民 日本画に込め 福井県越前市で個展
日本画を描いている清水早苗さんの個展「無一物中無尽蔵―アジアの瞳に魅せられて―」(福井新聞社後援)が12月18日、福井県越前市の越前和紙の里美術館で始まった。イスラム教徒少数民族ロヒンギャの難民の子どもを描いた作品など22点が展示されている。来年1月13日まで。 清水さんは建築デザイナーとして働く傍らアジア各国を訪れ、現地民族の表情や暮らしを写真に撮影してきた。だが、難病の間質性肺炎を患ったことや椎間板損傷によって撮影活動が難しくなり、自身が撮った写真を基に日本画を描くようになった。 バングラデシュの難民キャンプで出会ったロヒンギャの子どもの作品は人物の背景にミャンマーの風景を描き、子どもが故郷を思いやる心情を表現。そのほか竹富島(沖縄県)を訪れた際の作品や入院時に横浜の病室から見た風景を描いたものも展示している。 清水さんは「1人でも多くの人に来ていただき、作品のありのままを感じ取って感想を伝えてほしい」と話している。 火曜(祝日除く)と年末年始は休館。入館料600円(高校生以下無料)。