カープ屈指の理論派、野村祐輔引退 登板210試合は全て先発
広島東洋カープの野村祐輔投手(35)が27日、現役引退を発表した。緻密な制球力で通算80勝64敗、防御率3・53。新人王(2012年)、最多勝(16年)などに輝いた右腕はチーム屈指の理論派だった。 【写真集】広陵高、明治大時代から振り返る野村祐輔投手 野村は「投球フォームには正解がある」と断言する。身長177センチと決して体格には恵まれない中、長く活躍した。支えたのは正しく、美しい投げ方だ。下半身主導で体重移動し、リリース時に鋭く体を回転。球速140キロ未満でも「ベース盤で強い球を」と直球にこだわった。 広島・広陵高3年時、夏の甲子園準優勝投手。明大を経て、ドラフト1位入団。1年目、防御率1・98で新人王。16年は16勝3敗で最多勝、勝率第1位に輝き、チームはリーグ制覇。連覇した17年は9勝。連戦初戦の火曜日登板が多く、「相手エースと投げ合えた」と貢献度が高かった。 今季の広島は8月まで先発陣が盤石で、割り込めなかった。野村は「体は万全。まだやれる」と燃えていたが、登板は2試合。出番に備えつつ床田寛樹投手にスライダーの投げ方を伝え、遠藤淳志投手ら若手に熱心に教える姿もあった。今後は未定。その技術力に指導者の期待も高まる。 ここまでの登板210試合は全て先発マウンド。引退試合では、どのポジションで投げるかも注目される。
中国新聞社