あなたのまちの議会は何位? 二極化進む議会改革、トップ300を公開
全国地方議会がどのくらい改革に取り組んでいるか調べている早稲田大学マニフェスト研究所は12日、最新の「議会改革度2016」調査データを基にした、全国上位300位までのランキングを発表した。全国総合1位は北海道芽室町議会、2位滋賀県大津市議会、3位三重県四日市市議会と上位3位までは前年度同じ順位となるなど、先進議会と改革に取り組んでいない議会の二極化が進んできている現状が明らかになった。
トップの芽室町議会はどの観点でも高ランク
同研究所は2010年度から毎年アンケート調査を実施。全地方議会1788議会のうち、今回は1347議会(回答率75.3%)から回答を得た。 調査は「情報共有」(本会議などの議事録や交際費・視察結果の公開具合と検証)、「住民参加」(傍聴のしやすさ、議会報告会などの実施、住民意見の聴取)、「議会機能強化」(議会本来の権限・能力を発揮するための機能強化状況)の3つの観点から改革度合いを数値化している。 その結果、総合トップの芽室町議会は、観点別評価も「情報共有」7位、「住民参加」と「議会機能強化」それぞれが1位に、総合2位の大津市議会も「情報共有」6位、「議会機能強化」同2位というように、満遍なく改革が進んでいることがわかった。47都道府県別ランキングで今回初めて1位となった大阪府議会は、全地方議会のランキングでは総合6位(前回15位)に入った。
上位陣固定化の一方で改革加速化、桐生市議会は順位を130位以上上昇
同研究所によると、最新順位と前年度の順位で、どのくらい同じランクにいるか割合(変動率)を調べたところ、上位20位内は75%、100位内75%、300位内80%となり、順位の変動が少なく、上位陣が固定化していた。 一方で、前回の148位から今回17位まで上昇した群馬県桐生市議会のように改革を加速させ、順位を大きく伸ばした議会も増加。「情報共有」「住民参加」など、重点を絞って取り組みを進めているところも出てきている。 また、「政務活動費のインターネット公開」は前回6%だったが、今回ようやく1割を超え11%に、「議会報告会の開催」は前回47%から今回53%に、というように活動の公開などの部分で進んだところもみられたものの、地方の担い手育成や18歳選挙権実現の観点から注目されている「シティズンシップ推進(教育)」実施は41%で前回調査とポイントは変わらず、横ばいだった。
先進議会は体系的な改革の取り組みを導入 順位に反映
同研究所は「トップランナーといわれる先進議会では、議会基本条例の制定などで改革の進捗を定期的に計画・実行・検証・改善(PDCAサイクル)を実施することを取り決め、住民意見を政策へ反映する政策形成サイクルなどの体系的な取り組みを導入している議会が多いため、それが順位に表れている」と、上位陣の固定化について分析している。