美白成分の浸透は、コスメの塗り方×肌状態で決まる!コスメを効かせる浸透方程式
「肌を包み込むようにしてじっくりと浸透させる」お手入れには、美白コスメを最大に効かせる科学的根拠があります
コスメの「効き」は、サイエンスで説明できる。美白成分の浸透は、コスメの塗り方×肌状態によって決まる。同じコスメでも、誰がどのように使うかで浸透が変わってくる――惜しみなくたっぷりと、すみずみまで丁寧に塗ること。肌を温かく潤った状態に保ち、心地よくお手入れすること。肌に良いと昔からいわれているスキンケアの手技は、実はサイエンスによる裏づけがあるものだったのです。 肌がぷるぷるに潤って「太って」いるとき程、浸透が高まる!美白効果を最大&最適化する塗り方をコスメ科学者が考案します。 化粧品開発歴30年超のサイエンティストが提言。
美白コスメは、肌の深い層に届けることで効きめを発揮する
シミやそばかすのもととなるメラニンは、表皮のいちばん奥まった場所(基底層のメラノサイト)から生まれます。だから、美白コスメを効かせたいなら、ある程度深い場所にまで浸透させた方がいい。私たちは、知ってか知らずかそのことを本能的に感じとっていて、「深く届け…!」と念じるように、じっくりと肌にコスメをなじませている人が多いはずです。でも、そんな「おまじない」的な自己流のワザではなく、きちんと根拠のある〝効かせる使い方〟を知りたい。そこで、肌の科学者・次田哲也さんに質問したところ、上にある数式が出てきました。方程式の答え【J】には、=イコールどれだけ肌に成分が入っていくのか、が示されているのだそう。 「この数式は『Fickフィック』の法則といって、物質がどれだけ肌の中に広がっていくかを計算できるものです。イコールの右にあるたくさんのアルファベット記号は、成分の浸透を高めるさまざまな条件を列記しています。例えばコスメの粘度が高いor低い、成分の粒子が大きいor小さい…そういったさまざまな条件を掛け合わせることで、 経皮浸透速度を測ることができます」(次田さん) 美白コスメによく採用されている、届けたい成分を必要な場所に届けて放出するリポソームカプセル技術、種類の異なるビタミンC誘導体を複数組み合わせて時間差で効果を発揮させる処方…そういった開発の工夫も、すべてこの方程式にのっとって読み解くことができます。最新の美白コスメは、計算式の答えがベストなものになるようにと、常に進化し続けているのです。