『俺の料理』発売25周年。初代PSの料理ゲー。切る、混ぜる、炒めるなどの調理過程をアナログスティックの操作で見事に再現した画期的な料理アクション【今日は何の日?】
独特のスティック操作で料理人気分が味わえた 1999年(平成11年)9月9日は、プレイステーション用(PS)ソフト『俺の料理』が発売された日。本日で発売から25周年を迎えたことになる。 【記事の画像(2枚)を見る】 『俺の料理』は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)から発売された料理アクションゲーム。『サルゲッチュ』に続きアナログスティックをフル活用する“アナログコントローラ専用”タイトルとなっている(当時はアナログスティックが新鮮な時代だった)。 2本のアナログスティックを左右の腕や包丁などの調理器具に見立てて、さまざまな調理を行っていくのが非常に斬新で現在でも多くのファンがいる作品だ。 レジ係を務めるおばちゃんの存在がかなりのインパクトで、なぜかボスとしても登場するため印象に残っている人も多いのではないだろうか。「いらっしゃいませぇ」、「ドリンク入ったよ!」、「ちょっとゴキちゃんよ!」などのセリフも忘れられない。 本作の目的は、料理人となってつぎつぎと来店する客が注文する料理をす速く作って提供し、店の評判をどんどん上げていくこと。評判が“サイコー”に到達するとステージボスとの料理対決となり、勝てばステージクリアーとなる。イージーやノーマルなどの難度によってストーリーが変化するのもうれしいポイントだった。 おもしろかったのは大衆食堂やファーストフード、和食処といった店ごとにラーメン、ハンバーガー、エビチリ、天ぷらなどの多種多様な料理があり、それぞれ調理の工程が異なるところ。食材を切ったり皮を剥いたりしながら下ごしらえをして、焼く、炒める、煮る、揚げるといった調理を行い、料理を完成させていく。 たとえば包丁で切る作業なら、左スティックで食材に添える左手を、右スティックで包丁を動かして切る動作を行うといった具合で、かなりそれっぽいアクションを要求してくるので思わず笑ってしまう。 塩を振って味付けしたり、ハンバーグの種の空気抜きをしたり。あるいはソフトクリームを作ったりビールを注いだりなど、いろいろな作業でプレイヤーを楽しませてくれた。一部の作業は何人分かまとめて調理も行えたので、より効率化を図ることも可能だった。 煮るといったの工程は時間が掛かるため、食材を煮ているあいだにほかの作業も並行してこなすなど、実際の料理のような手順を踏むのもユニークだ。 一般の客とは別に、「テレビに出ている偉い人」こと“グルメ”がやってくる場合もあり、一気に緊張感が高まる。不味い料理を作ってしまうと彼らは店の評判をガクンと下げてくるので厄介なのだが、美味い料理を作れば当然、評判を大きく上げてくれるといった寸法だ。しかもほかの客の料理もまとめて作ればグルメと同じ評価がもらえてお得だった。 いろいろなおジャマ要素も存在し、プレイヤーの料理を妨害してくる。大量に湧いて出るゴキブリをスリッパで潰したり汚れた皿を洗ったり、さらには酔っぱらいの介抱をしたりと、こちらの要素も多種多様。うまく対処しないと客が怒って帰ってしまい評判を一気にダウンさせてしまうことになるのがキツかった記憶がある。 現状、本作を遊ぶハードルがかなり高い。プレイステーションPlusのクラシックスカタログに追加されるとうれしいのだが……。