ハミルトンに続き“女房役”のエンジニア・ボニントンもフェラーリ移籍か? メルセデスF1は協議へ
2月1日(木)、ルイス・ハミルトンは2024年限りでメルセデスを離脱し、2025年からフェラーリに加入することを発表した。それに伴い、チームで長年連れ添ったレースエンジニアの“ボノ”ことピーター・ボニントンも共にフェラーリへと移籍する可能性があるようだ。 【動画】7度のF1王者だけど質問ある? ルイス・ハミルトン、”モフモフなお友達”と共にファンの疑問に回答! トップドライバーは移籍を行なう際、信頼の置けるスタッフに声をかけたり、あるいはスタッフがそのドライバーと共に仕事をするのが好きだったりという理由で、ドライバー以外の移籍も同時に行なわれることも多い。 ドライバーを受け入れる側のチームも通常、ドライバーが慣れない環境に馴染めるよう、元いたチームからスタッフを連れてくることに前向きであることが多い。 過去の例を振り返ると、1996年のミハエル・シューマッハーは、ベネトンからフェラーリへ移籍した際にテクニカルディレクターのロス・ブラウンやチーフデザイナーのローリー・バーンをはじめとするエンストンの主要メンバーを連れていった。当時フェラーリを率いていたジャン・トッドも、彼らを成功に向けたパッケージの重要な要素として捉えていた。 その他の有名な例では、レースエンジニアのジョック・クレアがジャック・ビルヌーブと共に、2000年にウイリアムズからBARへ移籍した。また2015年にはアンドレア・ステラがフェルナンド・アロンソと共にフェラーリからマクラーレンへ移籍。アロンソがチームを離れた後もステラはマクラーレンに留まり、現在はチーム代表を務めている。 ボニントンはジョーダンでF1キャリアをスタートした後、ホンダで活躍した。その後、F1を撤退したホンダを引き継いだブラウンGPを経て、メルセデスへと名前を変えたチームにも引き続き在籍。そして2013年にドライバーとして加わったハミルトンと絆を深めていった。 ボニントンにフェラーリ移籍の意思があるかどうかは不明だが、メルセデスのウルフ代表はこうした議題が必然的に挙がってくると予想している。 「これから数ヵ月の間に、誰もが話し合わなければならない議論だと思う」とウルフ代表は言う。 「(ハミルトンの移籍について)ボノと話した限りでは、『4月1日(エイプリルフール)なの?』と言っていた。今後話し合うことになるだろうね」 ただややこしいのは、ボニントンが12月8日の2024年シーズン最終戦までメルセデスに留まり、2025年初めからフェラーリに移籍することができるのかということだ。チームの機密保持のため設けられるガーデニング休暇という点を考慮すると、短すぎるという印象だ。 GP2(現FIA F2)時代にARTグランプリでチーム代表を務め、現在はフェラーリを率いるフレデリック・バスール代表を除けば、フェラーリにはハミルトンが見知った顔はほとんどないだろう。ただ、バスール代表はメルセデスでパフォーマンスディレクターを務めたロイック・セラを引き抜いており、2025年から正式にフェラーリで働くことになる。 またハミルトンはメルセデスでの最初の2年間で前出のジョック・クレアと仕事をしていたが、現在のクレアの主な仕事はフェラーリの若手育成プログラムだ。 なお仮にボニントンがフェラーリにレースエンジニアとして加入する場合、チームは再編成を行ない、現在カルロス・サインツJr.と仕事をしているリカルド・アダミに新しい役職を与える必要がある。
Adam Cooper