自立への「ステップ」に 札幌市が就労支援センター開設
【北海道・札幌】「生活困窮者自立支援法」という新しい法律をご存知でしょうか? この法律は、昨年12月に成立し、今年4月1日に施行された生活困窮者を対象に支援を行うためのものです。そして4月1日、全国的にいろいろな支援体制が敷かれました。全国で2番目に多い生活保護受給者を抱える札幌市でも就労を支援するセンターが開設されました。 札幌市が開設した生活就労支援センターの名前は「ステップ」。これは札幌市が、キャリアバンク株式会社(本社・北海道札幌市)に委託し、自立相談支援事業や住居確保給付金(条件があるものの家賃補助を受けられる制度)の支給を行う施設で、札幌市中央区西6丁目の大通公園ビル8階にあります。
全国で2番目に多い生活保護受給者
実は、札幌市の生活保護受給者数は7万人を超え、大阪市に次いで全国2位という多さです。それだけ、働きたくても働けない市民の数も多いということです。「働き口を探すのであれば、ハローワークがあるのでは?」と思う方もいるかと思いますが、ハローワークはあくまで働き口の斡旋のための施設です。例えば、病気のために就労できない、借金がありどうにも立ち行かない、面接に行っても落ちてしまう……など、ハローワークでは対応できないような、複合的な相談に乗る場所として開設されたのが「ステップ」です。 その「ステップ」主任相談支援員の佐藤真貴子さんによると、「(4月1日の)オープンから10日ほどで132名の相談がありました。来られる方それぞれの事情をヒアリングすることからスタートし、現在は2回目の面談でプランを作成している段階の方もいらっしゃいます」とのこと。このプランの作成が今回の支援のポイントになっていて、「どのようにすれば就業できるのか」を一緒に検討していきます。 「状況は千差万別です。例えば、履歴書の書き方からスタートする方もいらっしゃいますし、これまでのキャリアの棚卸が必要な方もいます。中には、借金の期限が差し迫っていて、すぐにでも就労する必要がある方も……。そのような方々ひとりひとりに最適なプランをご提案しています」(佐藤さん)というように、就労にまつわるいろいろな要素についても相談出来るのが大きな特徴です。