トルコ反政府デモ、フェイスブックで聞いた生の声
5月末、トルコのイスタンブールで反政府デモが勃発。数日でトルコ国内にある81県のうち67県でまで広がり、負傷者は3000人を超え、拘束された人は1700以上にも上る。現地の様子や市民の思いをフェイスブックで尋ねてみると、「暴動が突然起き、ガスマスクも唐辛子スプレーの痛みを和らげる牛乳も持っていなかった」「警察の悪態について、だんまりを決め込んでいる主要放送局には大きな怒りを感じる」「暴動の後、抗議したという達成感で希望と幸福感に満ちていた」といった答えが返ってきた。貴重な生の声を詳しく紹介する。 【アンカラ在住・20代後半・大学院生】 「環境のための平和な座り込みを警察が過度に取り締まったので、国民の怒りが限界に達した。31日まで、アンカラは平和で暴力的な警察はいなかった。翌日、友達と街に出たら、道は催涙ガスに包まれていた。息をするので必死だったとき、男性がプラスチック弾丸で撃たれるのを見た。私はそのガスのせいでぜんそくになってしまった。街は、爆発、サイレン、ヘリコプター、叫び声などの音で騒々しく、混乱していた。私たちは表現の自由を制限すべきでないと怒っている。今日(4日)、アンカラは騒音が無く、とても平和です。ただ、ほかの町はそうではないのが残念だ。私たちは国に、自由が大切に扱われることを要求する」 【アンカラ在住・20代後半・グラフィックデザイナー】 「警察は昨日(3日)、抗議者の1人を殺したが、今日はとても静かな日だった。過度な暴力は警察によって広げられた。みんなで一緒に政府に立ち向かうことは、希望が持てるし、強くなった気分にもなる。しかし、人々が傷つく暴動が起きていることは、不安。たまに、恐怖を覚えることもある。警察は、過度な暴力で人々を傷つけているのに罰せられないのは、おかしい。警察の悪態について、だんまりを決め込んでいる主要放送局には大きな怒りを感じる。今日はとても静かだったけれど、これはデモの終わりかもしれないし、ただの休息だったのかもしれない。いま起こっている事実を世界に届けたい」 【イスタンブール在住・30代前半・大学院生】 「タクシム広場で抗議者と警察が衝突する現場に遭遇した。そんなことが起こるなんて思っていなかったので、ガスマスクも唐辛子スプレーの痛みを和らげる牛乳も持っていなかった。さらに私は1人だったので、どうしたらいいのかわからなかった。けれどもその場で、真実を目撃できたことは良かったことだと思っている。警察が去った後の公園は、抗議したという達成感で、希望と幸福感に満ちた素晴らしい空気になっていた。私は抗議について不思議と楽観的でいる。国民が立ち上がり行動を起こしていることは素晴らしいと思う」