内村航平が伝えるアスリートの声。「NHKパリオリンピック2024」インタビュー
いよいよ来週からスタートするオリンピック。「NHKパリオリンピック2024」でアスリートナビゲーターを務めるのは、体操界のレジェンド・内村航平さん! パリの現地から競技の生の迫力や感動、選手たちの戦いぶりを伝えます。今回は、オリンピック開幕に先駆け、取材会に登場した内村さんにオリンピックの見どころや、体操の日本チームへの期待などを伺いました。
――今回、初めてアスリートナビゲーターという形でオリンピックに関わるということですが、率直な気持ちを教えてください! 「出場しないオリンピックを見るのがアテネオリンピック以来、20年ぶりなので不思議な気持ちですね。夢の舞台としてアテネオリンピックを見ていて、まさか北京オリンピックから4大会も出場できると思っていなくて。またこうしてオリンピックに携わることができて、自分の人生においてオリンピックは切っても切れない縁があるなと感じています」 ――選手として臨むオリンピックには、たくさんの準備や練習をされてきたと思いますが、今回準備していることはありますか? 「特にないです。最初は、めちゃくちゃ勉強しようと思っていたんですけど、僕はそういう役割ではないんです。事前取材はしていますが、知らない方が視聴者と同じような気持ちで見ることができるし、質問もできて新鮮に伝えられるかなと。あまりにも勉強し過ぎて、知ったかぶりのような質問をするのも、相手に対して失礼だと思うので、あえて準備はしていないです。もちろん、体操に関してはプロフェッショナルにできる自信がありますが、それ以外はもう本当に分からないという状態の方がいいのかなという気がしています」 ――何の競技を取材されたのでしょうか? 「柔道、水泳、体操というお家芸と呼ばれる競技ですね。お家芸に関しては誇りを持っている印象です。金メダルを取らなきゃいけなというプレッシャーも抱えて大変だろうなとも思いましたが、誇りを持ってやっている後輩たちを見て、自分たちが過去に残してきた『オリンピックで結果を残す』ということがちゃんと受け継がれているうれしさもありましたし、次世代に向けて今後も発信していってほしいです」 ――体操競技について、今回の日本チームにどんな期待をしていますか? 「男子に関しては、団体も個人も金か銀です。3位になることは多分ないと思っているので。どうやったら金になるのかというと、着地です。シンプルですよね。パリは日本選手にとってはアウェーなので、着地を止めないと日本の色に染められないと僕は見ています。僕が現役の時からですが、中国が一番のライバルで、前回も銅メダルだったので、そろそろ本気で金を取りに来るし、メンバーもかなり強い選手が入っているので楽しみです。僕も異様な空気感の中で楽しめるという、ちょっと変態的な精神状態があったからここまで結果が残せたのかなと。ちょっと『人を超えなきゃいけない』ので、その必要性を感じることができるだけでも、オリンピックの舞台は特別ですよね」