札幌国際情報対札幌静修　札幌国際情報の松浦投手は、最後の打者を左飛に打ちとり、渾身（こんしん）のガッツポーズ（撮影・中島洋尚）

＜秋季北海道大会札幌地区予選：札幌国際情報2－1札幌静修＞◇2日◇2回戦◇札幌円山 　札幌国際情報のエース右腕・松浦岳玖（がく）投手（2年）が公式戦初登板。9回10安打1失点の粘投で初完投勝利を手にした。 　表情は変えずに、投球フォームを1球ごとに変え、相手打線を幻惑した。2段モーションで投げたあとに、クイックでタイミングをずらす。さらには右足1本で長く立って、打者をじらす。8割以上がオーバースローだが、サイドも下手投げも織り交ぜ、最後の打者を打ち取った時だけ、全力でほえた。「結構打たれたんですけど、いつも最少失点に抑えることを意識してやっています。今日も練習試合と同じようにできてよかった」と、背番号1がうれしそうに笑った。 　夏までのチームは、最速143キロのエース右腕・今村壮吾主将（3年）らを中心に、昨秋から3季連続で道大会8強まで進出した。有倉雅史監督（57）は「新チームは、国際情報始まって以来の史上最弱と思ってプレーしろ」とはっぱをかけてスタート。直球の最速が127キロの松浦に、横手や下手投げにも挑戦するよう指示した。公式戦初先発試合で、新たな投球術がはまり続け、まずは全道大会出場に王手をかけた。 　「先輩たちの背中をずっと見てきたので、全道に出場することも、先輩たちが目指していた甲子園出場も本気で目指して、挑戦します」と松浦。球速も体の動きも大きく変化させる独特のピッチングで、次のステップも突破する。