「できる子」じゃなくても小学校受験に合格できる? 大手幼児教室に聞いた“最新お受験事情”
小学校受験では「ハキハキと挨拶する・積極的に参加し発言する」など、積極性・主体性のある子どもがどうしても有利なのでは……という印象があります。 小学校受験で長男合格、次男不合格…その後にわかった「公立小でよかった3つのこと」 ですが、一般的に幼い子どもたちは、そんな「できる子」ばかりではありません。親の前では元気で明るく振るまう子でも、知らない人の前に出ると恥ずかしくてモジモジしたり、人見知りで輪の中に入れない子や挨拶するのさえ苦手な子のほうが、むしろ普通なのではないでしょうか。 実は、私の長男も人見知り。初めての場所や知らないお友達の前では、うまく話せずモジモジしてしまう子でした。 そこで、そんな「普通の子」でも、小学校受験で合格することが可能なのか?について、小学校受験で実績の高い「こぐまなでしこ教室」の統括、杉本さんにお話を伺いました。
最新の小学校受験の傾向を大手幼児教室に聞いてみた!
【すみれ】:最近の小学校受験では、どのようなことが重視されているのでしょうか。 【杉本さん】:これまで重視されてきたペーパーテストの成績よりも、「行動観察」の比重が高まってきているといわれています。「課題を与えた時にどのような行動を取るのか」を見ることで、家庭生活の中でどのような経験をしてきたかが透けて見えるから、なのだと思います。 「小学校受験は、親子の受験」だとよく言われますが、これまでのペーパーテストだけでは、家庭の様子などを垣間見ることはできません。「行動観察」のテストの中では、家庭の中でのお子さまへの教育や、日々の親子の間での会話、お友達との接し方、今までの少ない経験の中で学んできたことなどが、自然と複合的に、行動に現れてくるんですね。 おそらく、小学校側としては、そこを見たいと思っているのではないでしょうか。合否の判定基準が明確に公表されているわけではありませんが、最近の小学校受験では、「行動観察の比重が大きい」と推測しています。
小学校が、「入学してほしい」と考える子ども像とは?
【すみれ】:小学校としては、どのような子どもに「入ってほしい」と思うのでしょうか。 【杉本さん】:基本的には「できる子」など、飛び抜けた性格の子だけを合格させようということは決してなく、複合的に受験生のお子様の潜在的な能力、行動、試験会場にいらっしゃる親の振る舞い、家庭環境を見ています。だからこそ、入試でも、ペーパーテストだけでなく複数の試験科目を設定して、多面的にその子どもと育てる家庭環境を見ようとするのです。 「行動観察」や「口頭試問」などでは、ほかの子どもたちと一緒に仲良くできるか、人が嫌がることをせず、やさしくほかの子どもに接することができるか、社会的な常識を持っているか、難しい授業や勉強などにも諦めず、粘り強くついてくる気持ちがあるか、そして、そういう子どもを育成するために、しっかりと親が家庭の中でサポートできるのかということを見たいのだと思います。そういう家庭環境に育っている子どもに、ぜひ「入ってほしい」と思うのでしょうね。 【すみれ】:小学校受験では、どうしても「できる子」が有利になってしまうような印象があるのですが… 【杉本さん】:いつでも元気で、物おじしない子ももちろんいますが、最初からハキハキしてなんでもできる子なんて、どこにもいません(笑)。いかに受験する年齢までの少ない時間の中で、親やほかのお友達やほかの大人たちとコミュニケーションを取る経験をするか、親と一緒に社会の様子を見るか、に尽きるのではないでしょうか。