リハビリ開幕を迎えるダルビッシュの究極のプラス思考とは?
本来、トミー・ジョン手術といえば、ネガティブなイメージがつきまとう。多くが、長いリハビリを憂い、また投げられるようになるのかという不安を抱え、様々な葛藤のなかで時間を過ごす。ダルビッシュはしかし、プロのアスリートとして復帰に向けて100%を尽くすのは当然のことで、1周年だからといってお祝いする方がおかしいのでは? と考える。 「例えば、ダイエット頑張ったご褒美にこれをちょっと食べたとか、何々頑張ったご褒美に旅行に行ってくるとか、ご褒美って、僕はトレーニングやってても、自分がこれだけ頑張ったから、ご褒美って考えないんですよ」 その理由をこう説明している。 「ご褒美っていうことは、それは自分がしたくない事だから、ご褒美っていうことが出てくるんですよね。だから自分の仕事に対してそういう人たちってネガティブにとらえているから、きついことやしんどいことをやりたくない事だから、頑張ってご褒美っていうふうになっちゃう。そうすると本来ご褒美がないと頑張れないってことになっちゃうから、そしたらその人はプロフェッショナルじゃない」 もちろん裏には、多分に彼の性分もある。 「多分、世間の人たちのいやなことが、僕のいやなことではないんだと思う」 こんな例え話をした。 「会社の上司に怒られるとか、人間関係が上手くいかないっていうのは、基本的に全部自分の問題。人間関係を築くちゃんと力を持ってれば、そこに悩むこともない」 マイナスに導いているのは自分。自分が変わればいい。トミー・ジョン手術にしても考え方次第。 「割り切って(考えた)。その代わり自分でやりたいこと、栄養の勉強だとか、体を変えるとか、そういうことを出来る時間。選手でやっていたら、オフの間、2~3ヶ月しかなくて、まともに力を付ける時間もない。これは自分にとって大きなことなので、逆にチャンス」 実際、トレーニング、サプリメントの知識がはるかに増えたそう。それが体にいいことを実感してからは、それが他の選手にも浸透していけばと考え、川崎宗則、岩隈久志、前田健太を家に招いたとき、ちょっとしたサプリメントの勉強会も行った。その時たまたま、日本から栄養士の先生が来ていたこともあるが、中でも川崎は、特に熱心だったそうである。