「正直さびしい」SL人吉の整備士たちが最後の清掃 17日に“58654号機”お披露目式典 熊本
人気観光列車「SL人吉」をけん引し、3月に引退した蒸気機関車(SL)「58654号機」の常設展示に伴うお披露目式典が17日、JR人吉駅前で開かれる。長年SL人吉を支えてきた整備士たちが13、14の両日、車体の最後の清掃作業に汗を流した。 【写真】「間近で見られ感動」SL人吉の見学会 58654号機は、老朽化や整備士の養成が困難になり引退。JR九州から熊本県人吉市に無償譲渡され、10月に北九州市の小倉総合車両センターから4年3カ月ぶりに“故郷”に戻った。その後、市が委託したJR九州エンジニアリング(福岡市)が車体の組立やメンテナンスを進めていた。 13日は、同社の担当者6人がさびをとったり、布に研磨剤を付けて金属部分を磨いたりした。観光列車「SLあそBOY」時代の1988年から36年にわたり整備を担ってきた同社の整備士、玉井明人さん(67)は「正直さびしい。新しい人生を迎えるSLが人吉の人々にかわいがってもらい、地域のランドマーク的な存在になってほしい」と話した。 (古川剛光)