<底なしパー券不正>森元首相と世耕議員も初の刑事告発 逮捕の池田議員へのキックバックに共謀の疑い 「池田氏は安倍派の裏金手口をマネしたのでは」と専門家
東京地検特捜部に1月7日に逮捕された自民党の池田佳隆衆議院議員が、政治団体「清和政策研究会」(以下、安倍派)の派閥のパーティ券の売り上げから4000万円超の裏金のキックバックを受けていた事件に関連して、池田議員と安倍派の元会長である森喜朗元総理大臣、参院安倍派会長の世耕弘成前参院幹事長ら12人が政治資金規正法の不記載罪などの疑いで1月9日に東京地検に刑事告発された。(フリージャーナリスト・鈴木祐太) 【写真報告】 これが実物だ。 政治資金報告書と「文通費」領収書。橋下徹、維新清水参議員などの実物公開(7点)
◆森元総理の刑事告発は一連の事件で初 告発したのは上脇博之神戸学院大学教授。その告発状によると、池田議員は2022年、安倍派から自身の政治団体「池田黎明会」に500万円の寄付を受けたにも関わらず、政治資金収支報告書(以下、収支報告書)に記載しなかった。 一方、安倍派も池田議員側に寄付した事実を派閥の収支報告書に記載していなかった。簡潔に言えば、安倍派の政治資金パーティ収入から500万円をキックバックしていたのに、双方が収支報告書には何も書かず裏金にしていたということだ。 刑事告発されたのは、森元総理、世耕前自民党参院幹事長のほか、安倍派の歴代事務総長の下村博文元文科大臣、松野博一前官房長官、西村康稔前経産大臣、高木毅元復興大臣、萩生田光一元経済産業大臣と安倍派の会計責任者ら12人。共謀して、500万円の記載をしなかったとしている。一連の自民党5派閥のパーティ券問題で森元総理と世耕前参院幹事長が刑事告発されるのは初めて。 池田議員側は同様に、2021年は1330万円、2020年は1378万円、19年は1010万円、18年は608万円を、パーティ券売り上げのキックバックとして受け取っていたにも関わらず、「池田黎明会」の収支報告書にも安倍派の収支報告書にも記載されていない。5年間の合計額は4826万円にも上る。2021年分に関しては安倍晋三元総理とも共謀、2018年から2020年までは細田博之元衆議院議長とも共謀したと告発状では指摘しているが、すでに死亡しているため告発対象からは外された。
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