ケイト・ブランシェット

　「ロード・オブ・ザ・リング」3部作は全世界での累計興行収入が30億ドルに迫る大ヒットシリーズだが、出演者たちの報酬は驚くほど低かったことが明らかになった。 　米人気トーク番組「Watch What Happens Live」に出演したケイト・ブランシェットは、同作の出演料について「誰も報酬なんてもらっていないわ」と語り、番組司会者を驚かせた。 　「基本的に無料のサンドイッチをもらえた程度よ」とブランシェットは比喩的に表現。さらに「耳（エルフの耳の特殊メイク）は持って帰れたけどね」と冗談めかして付け加えた。 　エルフの王子レゴラス役で知られるオーランド・ブルームも、過去に同様の告白をしている。ブルームは3部作全体で17万5000ドル（約2500万円）しか受け取っていないと明かしていた。 　それでもブランシェットが「ロード・オブ・ザ・リング」に参加したのは、ピーター・ジャクソン監督の前作「ブレインデッド」の大ファンだったからだという。 　ハリウッドでは現在、出演料が低くても作品が大ヒットした場合、俳優がバックエンドという形でロイヤリティ収益を得られる仕組みが確立されているが、当時は違った。また、出演者たちの中にビッグスターがいなかったことも、低報酬の一因と考えられる。 　それでも、ブルームは「人生最高の贈り物だった。半額でも喜んでやるさ」と語っている。金銭的な報酬以上に、作品への愛着や芸術性が俳優たちの原動力となっていたことがうかがえる。