【九州プロレス】「リングで闘え!!」強さよりおもしろさが持ち味 元お笑い芸人レスラーは子どもたちのヒーロー ケガを乗り越えリングに上がる 福岡
FBS福岡放送
「九州ば元気にするバイ!」を合言葉に活動を続ける、福岡市が拠点のプロレス団体「九州プロレス」は、設立からまもなく16年です。挫折を経て、再びリングに上がったレスラー、内に秘めたその信念に迫ります。 ことし2月、沖縄県那覇市。NPO法人九州プロレスが沖縄で初めて開催したリングには、ほぼ満員の700人の観客が集まりました。 ことし、設立から16年を迎える九州プロレスは「九州ば元気にするバイ!」を合い言葉に、筑前りょう太理事長が当時34歳で旗揚げ、その熱い思いの元には多くのレスラーが集まりました。 ■筑前りょう太 理事長(当時34) 「博多でプロレスを通して街を元気にしたい。プロレスを通して九州を元気にしたい。」 活動を支えてきたのは、バラエティーに富んだ所属レスラーたちです。沖縄の会場をひときわ沸かせたのは、九州プロレスで唯一笑いが取れるレスラー、ばってん×ぶらぶら選手です。 福岡の有名人を自称するばってん選手は、元お笑い芸人という異色の経歴を持ち、設立から4年後の2012年に九州プロレスに入団、強さより「おもしろさ」が持ち味です。 ■ばってん×ぶらぶら選手 「カンチョー!」 ■九州プロレス・ばってん×ぶらぶら選手 「(九州プロレス)16年。どうにかこうにか、プロレスで食えるようになったと感じている。自分のダメな部分、×(ばってん)な部分をさらけ出しているので、それが格好いいと思っている、リングに上がっている、生き様なので。」 ばってん選手は今から5年前、リングでロープに足を取られ左肩を強打しました。それ以来首の痛みを抱え、およそ1年半リングに立てませんでした。 プロレスをやめるか続けるか、ばってん選手は決断を迫られていました。 ■ばってん×ぶらぶら選手 「(ケガしたことで)リングに上がらないといけないんだと、リングに上がってなんぼだと、すごく思いました。」 地域貢献を掲げる九州プロレス。リングに足を運べない人にも元気を届けようと、コロナ禍であっても高齢者施設や障害者施設などへの慰問活動を続けてきました。 ことし1月、慰問活動は2000回を迎えました。 そうした慰問活動で、ばってん選手と絆を深めた施設があります。 この日訪ねたのは、軽度な発達障害の子どもたちが通う福祉施設です。子どもたちはあるサプライズを用意してばってん選手を迎えました。 ■ばってん×ぶらぶら選手 「ちょっとちょっと、俺、死んでるみたいになっている。ちょっとなんだよ、これ。」 交流が始まったのは1年前。それ以来、子どもたちはばってん選手の事が大好きです。苦しい時こそ、面白い顔で乗り切る。そんなユニークなばってん選手の持論を実践しています。 ばってん選手は1年以上、首のケガでリングへの復帰を許されませんでした。さらにコロナ禍が、九州プロレスの活動に影を落とします。 ■筑前りょう太 理事長 「皆様方がこの会場にいる。その思いで、私も選手たちも一生懸命闘いますので。」 設立12年の記念大会は無観客で行われ、ライブ配信されました。そのリングで、ばってん選手は1年4か月ぶりとなる念願の復帰を果たします。 しかし代表の筑前理事長は、最後まで復帰戦を良しとしませんでした。引退の可能性すらあった強行出場でした。 ■復帰戦となった設立12周年記念大会でばってん×ぶらぶら選手たち 「どんたく、山笠、放生会!」 ■筑前りょう太 理事長 「大バカ野郎ですね。大バカ野郎なんですよ。その後の自分の体のことなんて考えてない。リング上がって人を喜ばせて。だけど僕らはその続きがある。」 どんなに惨めな姿をさらそうが、どんな困難が立ちはだかろうが、強い信念を持ったレスラーの生き様は、見た人に生きる力を呼び起こします。 ■ばってん×ぶらぶら選手 「まずはリングに上がって、そしてリングで闘えと。上がることに意義がある。そこで闘うこと。」 リング上で見せるレスラーの生き様。人生という名のリングに立つ、すべての人へのエールです。
FBSでは、ことし16年を迎える九州プロレスのこれまでを追ったドキュメンタリー番組を制作しました。目撃者f「リングで闘え!!プロレスで元気にするバイ!」は、5月26日(日)25時25分から放送です。
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