交流戦V手記 楽天・則本昂大「チームメートのはしゃぐ姿が、何よりもうれしかった」 野手MVPは小郷、投手は鈴木翔天
(日本生命セ・パ交流戦、楽天5-3広島、3回戦、広島2勝1敗、16日、楽天モバ)楽天で投手キャプテンを務める則本昂大投手(33)が16日、広島最終戦(楽天モバイルパーク)に5-1の九回から登板し、1回2失点で踏ん張った。交流戦では6セーブを挙げて初優勝に貢献。今季から抑えに転向し、現在パ・リーグ2位の16セーブ。サンケイスポーツに手記を寄せ、独自の採点で〝チームMVP〟を選んだ。 【写真】楽天・今江監督、中継ぎ陣に〝初カミナリ〟「メッセージを全く感じなかった」 最後の打者を三振に仕留めた瞬間、ようやく肩の荷が下りた。あとは、人事を尽くして天命を待つだけ。ロッカールームでソフトバンク-阪神の結果を見届けた後はチームメートのはしゃぐ姿が、何よりもうれしかった。 入団1年目の2013年に、リーグ優勝と日本一を経験させてもらった。当時は先輩たちにおんぶに抱っこだったが、今は立場が違う。また違った、本当にいい景色が見られた。 優勝できた今だからこそ話せるが、12日の巨人戦では九回から投げて2失点。結果的に1点差で勝ったからよかったものの、全員がつないだ試合をぶち壊し、この優勝も消滅していたかもしれない。マウンド上で「やっちまった」と焦った。13日も投げて、チーム方針で3日連続での3連投はないけど、14日もベンチ入りを志願した。チームのために3連投だろうが、10連投でもすると決めていた。 野手の交流戦MVPを挙げるなら、やはり18試合で13打点を挙げた1番・小郷だ! 打ちまくって、打線を引っ張って、小郷がヒーローなのに試合後「則本さん、抑えてくれてありがとうございます」と言われたことがある。礼儀正しくて、よく2人で会話もする。先発のときとは違って今はじっくり試合を見られるけど、小郷は攻守に頼もしいと感じる。 小郷に加えて、早川、村林、太田らは「俺たちがやらなくては」という自覚が芽生えたように映る。陰のMVPを挙げるなら、フランコだ。開幕2試合で2軍に落とされても、腐らず周囲の意見を聞き入れながら、がむしゃらに取り組んでいたと聞いた。その必死さがチームに伝わるし、5月31日のヤクルト戦での逆転サヨナラ3ランなど好機で打っている。 投手のMVPを挙げるなら、中継ぎの鈴木翔天(そら)だ。交流戦8試合登板で計8回を無失点。これも試合中、ブルペンに入るから分かった。登板しても、しなくても、常に肩をつくって準備している。チームのために、表には出なくても縁の下で支えている選手がいる。(東北楽天ゴールデンイーグルス投手)