実家は父母の共有名義。名義変更はしておいたほうがよいですか?
実家が父母の共有名義になっている場合、どちらかの名義、または子などに変更したほうがよいか考えている人もいるのではないでしょうか。できるなら親の意思を優先したいけれど、名義変更にメリットがあるのならば、早いうちに手続きを進めたいところです。 本記事では、不動産を共有名義にするメリットとデメリットについて解説します。
不動産の共有名義とは?
不動産の共有名義とは、一つの不動産に対して複数の所有者がいる状態を意味します。夫婦で一戸建て住宅やマンションを購入したり、相続で不動産を2名以上の複数人で取得したりすることが共有名義です。 例えば、夫婦で5000万円の住宅を購入し、その資金を夫と妻のそれぞれが2500万円ずつ用意した場合、持分割合は2分の1となります。
共有名義のメリットとは?
不動産を共有名義にするメリットは、以下のとおりです。 ●不動産の売却時に特別控除がそれぞれに適用される ●相続税を節税できる ●住宅ローン控除がそれぞれの収入に対して適用される メリット別に内容を解説します。 ■売却時に特別控除がそれぞれに適用される 不動産を売却時に「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」によって、譲渡所得から最高3000万円までの控除が受けられる特例があります。夫婦で共有する不動産であれば、それぞれに適用されて6000万円まで特別控除を受けることが可能です。 ■相続税を節税できる 単独名義と比べて、共有名義は相続税節税効果を期待できます。単独名義の場合、不動産の所有者が死亡した際に、不動産の評価額がそのまま課税対象となるからです。その点、不動産を共有名義にすることで、相続税の課税対象になるのは死亡者の持ち分のみとなって、税額の負担を軽減できます。 ■住宅ローン控除がそれぞれの収入に対して適用される 夫婦の共有名義で不動産を購入する際に、夫婦それぞれが住宅ローンを組むことによって、それぞれの収入に対して住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)が適用されます。単独名義で不動産を購入した場合、控除を受けられるのは住宅ローンの契約者のみとなり、夫婦の共有名義のほうが減税額が多いです。 住宅ローン控除では、住宅ローンの年末残高等(上限2000万円)のうち0.7%が10年間にわたって所得税または住民税から控除されます。