首脳陣から「三振取った方が球数少なくなるやん」とアドバイス…初先発で完投のソフトバンク・モイネロ わずか2週間で見せた成長
◆オリックス2―0ソフトバンク(30日、京セラドーム大阪) 負けはしたが、誰もが認める最高の先発デビューだった。ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(28)が来日8年目でプロ初先発に臨み、8回を投げきって3安打2失点、4奪三振ながら敗戦投手となった。 ■「えーっ!ラブラブですやん」柳田が夫人と2ショット【写真】 試合後、左腕の表情は充実感に満ちていた。「負けにはなりましたけど8回投げられたので、個人的にはすごくいい内容だった。内容には満足しています」。立ち上がりから4回まで完全投球を見せ、セデーニョに2ランを浴びた5回以外は無失点。終わってみれば8回を90球でまとめ上げ、初完投も達成した。 首脳陣の評価もうなぎ上りだ。倉野投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーターは「本当に初先発とは思えない素晴らしい投球。こっちの期待通り、期待以上」と目を細める。小久保監督も「初めての先発のチャレンジで、最初の登板であんなピッチングしてくれたらもう、もう。収穫ですね」と絶賛した。指揮官が評価ポイントに挙げたのは前回登板からの成長だった。 「オープン戦の時、うまく打たせてみたいなところがあって。『追い込んだら三振取った方が球数少なくなるやん』というアドバイスがあったので、そういう頭の切り替えをしたんじゃないですかね。追い込んだら前に飛ばさんでも三振を取ればいいので」 開幕前最終登板となった17日の西武とのオープン戦(ペイペイドーム)では6回途中2失点。打たせて取る投球をテーマに掲げたマウンドだったが、相手に粘られて結局104球を要した。試合後、倉野コーチは打たせて取ることを意識するより、メリハリを大事にするよう伝えた。 その後、実戦形式での登板を1度行い、開幕2戦目のマウンドに上がったモイネロ。2回に頓宮、セデーニョから3球三振を奪うなど持ち味を披露。さらには計5イニングが10球以下と、三振を奪いながら打たせて取る投球という理想の形に。左腕は「それ(アドバイス)がいい結果につながったのじゃないかと思います」とうなずいた。 倉野コーチは、先発転向に向け左腕がオフに行ってきた準備の周到さを認めていた。その上で開幕戦では修正力の高さも見せつけた。さらなる好投が期待できる。左腕が計り知れないポテンシャルを見せつけた先発初戦となった。(鬼塚淳乃介)
西日本新聞社