1980年代にヒットした国産ターボ車3選!!! あの頃は“TURBO”が輝いていた!!!
1980年代にヒットした国産ターボ車3選 【写真を見る】懐かしいターボ車の秘蔵カット(52枚)1980年代らしい装備も注目!!!
日産セドリックから国産ターボの歴史は始まった
今のクルマのエンジンの特徴とはいかに? ほとんどのエンジンにターボチャージャーが装着されていることかもしれない。ターボ車でないクルマは、大排気量のスポーツカーなどごく一部だ。 1980年代にも、もうひとつのターボの時代があった。1979年12月に発売された5代目の日産「セドリック(430型)」(当時の日産プリンス店向けには「グロリア」)のターボブロアム4ドアハードトップが先鞭をつけた。 そのあと、ほかのメーカーもこぞってターボ車のマーケットに参入した。1970年代のオイルショックのあと、「社会全体に“省エネ”が叫ばれる中、(中略)小さい排気量でハイパワーと燃費性能を両立させる技術としてターボに注目が集まった」と、日産自動車ではホームページで解説している。 このヨンサンマル・セドリックターボはたしかに速かった。エンジン回転があがって、ターボチャージャーの負圧が高まるとタービンの高音とともに、エンジンに高密度の空気を送り込み、結果、どんっとばかりに強烈な加速が始まる。 いまのターボは、基本的にはマイルド。別の言い方をすると、ターボが効いているのかいないか、よくわからない。排気量を小さくしたぶん、レスポンスのいい小型ターボチャージャーでトルクを補うのだ。 いっぽう、それでは物足りないときは、可変ターボといって排圧によってタービンの容積を拡大する機構を与えるか、もうひとつ、大型のターボを追加した2ステージ式にする。メルセデス・ベンツの「SLクラス」などは、ステッピングモーターが何段階もターボチャージャーの容量を変えていく。それでも当時のようなドッカンターボはない。
1.トヨタ「マークⅡ」(5代目)
トヨタ自動車が、自社の製品をターボ化したのは、日産セドリックがセンセーションを巻き起こした翌年、1980年10月の「クラウン」(6代目)だった。 このときは「ステータス・ターボ」なる文言をひねりだし、ターボ化はあくまでトルク増強でスムーズな走りをもたらすための手段と、ある種の見識を示していた。日産とトヨタ、どちらも上級セダンを使いながら、方向性はかなり異なっていたのがおもしろい。 そして1980年代前半のトヨタの看板車種といえば「マークⅡ」。1984年登場の5代目では、1985年10月にツインターボモデルが追加された。2.0リッター直列6気筒DOHCガソリンユニットに、2基のターボチャージャーを装着した日本車で初のDOHCターボエンジンだった。 ベースになったのは、トヨタとヤマハがDOHC化で共同開発した1G-GEUなる直列6気筒エンジン。それにターボチャージャーを2基装着したのが、1G-GTEU型だ。 このツインターボエンジンは、(やや)小さな高級セダンのイメージで売っていたマークⅡの、あたらしいありかたを提案するものだった。最高出力は185ps(ネット表記)。 最高出力は6200rpmでというかなり高回転型のエンジン・ターボチャージャーの恩恵にあずかるためには、当時、“ハイソカー”なんて言われて上質感をセリングポイントにしていたマークⅡらしからぬドライビングスタイルが必要だった。 このエンジンは、1988年にマークⅡがフルモデルチェンジを受けたとき210psにパワーアップ。2代目ソアラやスープラにも搭載された。 先述のとおり、現在のターボは燃費のために重要な技術だけれど、当時はパワーアップのため。車体に貼られた“TURBO”の文字は、大きなスポイラーや軽合金ホイールなどと相性のいい組合せだった。