1980年代にヒットした国産ターボ車3選!!! あの頃は“TURBO”が輝いていた!!!
2.日産「スカイライン」(6代目)
スカイラインでターボというと、すぐ思いつくのが、1981年発売の6代目(R30型)。ターボチャージャーの搭載はその前の5代目(C210型)だけれど、R30型ではパワフルな「2000ターボRS」が登場した。 さらに、1983年にはマイナーチェンジがあってフロントマスクのデザインを変更。ターボRS-Xの名とともに、ほとんどグリルレスになり、当時はまだ多くの日本人が記憶していた黒岩涙香らの小説「鉄仮面」をニックネームにいただいた次第だ。 R30型には、ターボモデルのラインナップが多く、なかでも1984年には、6気筒エンジンに、ターボの冷却効率を高めてパワーアップをはかった「2000RSターボ・インタークーラー」が追加された。 このときのスカイラインは、スポーティさを期待していた我われファンにとって、ややがっかりがあった。ホイールベースが2615mmと、先代のC210型の4ドア版と同寸のものに統一され、ショートホイールベース版がなくなったからだ。 カッコはともかく、性能は高く、このころの日産はある種の矜持をもってスカイライン(の高性能版)を開発していたと感じられた。ただ、スカイラインはカバーする範囲が広すぎるのが難と感じられた。 なにしろR30型をみても、4ドア、2ドアクーペ、4ドア(5ドア)ハッチバック、エステートという具合。スポーツ車路線でいくのか、ファミリー路線でいくのか、はたまた商用車? と、はっきりしない。そこが惜しいなあと当時から思ったものでした。
3.ホンダ「シティターボ」(初代)
これはおもしろいクルマだった。3.3mの全高に対して1.47mの全高という、当時の概念でいうとトールボーイスタイルが衝撃的だった、1981年登場の初代「シティ」。 1982年に追加されたのがシティターボだ。イメージはブラック。赤いアクセントストライプが効果的で、かつ短く傾斜のきついボンネッドだが、パワーバルジが設けられて、ひと目でパワフル版とわかった。 シディのベースモデルは67psの1231ccエンジン搭載であるのに対して、ターボ版は100psにまで出力が引き上げられていた。当時英国で大人気のスカバンド、マッドネスがナッティトレインをしながら「Honda、Honda……」と連呼するCMも痛快だった。 シティターボはそれなりに軽快感があった。ただし、乗り心地は硬く、キャスターアクションが強い操舵感は独特、さすがに、ホイールベースが2220mmとかなり短いのがハンデになっていた。 1983年には110psのシティターボⅡ(ブルドッグ)が登場。ボンネットのバルジは巨大になり、フェンダーは広がり、デザインでも楽しませてくれた。 サスペンショントラベルが短く、ショートホイールベースのモデルをベースにしているだけに、ターボ化しても所詮……というのも事実。コンセプトを楽しむモデルだったのだ。 輸入車も好きなひとたちは、このシティターボⅡに、ルノーが開発して世界ラリー選手権で活躍していた「サンクターボ」(1980年)を連想。もちろん、ホンダはそのマネをしたわけではないけれど(開発期間を考えるとマネは無理)、クルマは元気がいちばん。そんなクルマ好きの心情をうまく反映してくれたターボモデルである。
文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)