通学型メインの通信制高校「こころ咲良高」 長崎に来春開校 対面の学習指導を充実
長崎県内唯一の広域通信制高校、こころ未来高(長崎市)を運営する同市の学校法人第二岩永学園(岩永真児理事長)は来年4月、狭域通信制のこころ咲良(さくら)高を同市に開校する。「通学型」のこころ咲良高と「発信型」のこころ未来高とに役割を明確に分けることで、教員の負担軽減や教育環境の充実を図る狙い。 通信制高校は、面接指導(スクーリング)など一定の登校が必要だが、リポートを学校に提出して単位を取得するなど、本人に合った通い方や学び方が選べるのが特長。入学できる地域が3都道府県以上の「広域」と、学校所在地と隣接の1都道府県に限られる「狭域」がある。 こころ未来高は2016年度に開校。長崎本部校(愛宕3丁目)のほか、9府県に学習支援をする協力校・サポート校、学習センターがある。開校時181人だった生徒数は毎年増え、今年10月16日時点で924人が在籍。うち566人が長崎本部校に通う。多様なニーズに対応する一方、生徒数の急増に伴い、教員の業務も煩雑になっている。 新設するこころ咲良高は「通学型」をメインに、週4日登校など3コースから選択する仕組み。対面による学習指導をこころ未来高の今の体制から充実させるほか、ネイルや美容師などの選択授業のコンテンツを30以上に倍増させる。 こころ未来高は、教員が学習支援の動画を配信する「デジタルスタジオ室」を現行の1室から11室に拡充。リポート学習や選択授業の動画をどこからでもネット視聴できるような仕組みも取り入れる。 現校舎にこころ咲良高が入り、こころ未来高は近くの弥生町にある地下1階地上4階建てビルを改修し、移転する。いずれも3年制の共学で定員は各660人。 岩永理事長は「今後ますます個にフォーカスした時代になる。多様な学びの場を提供したい」と話す。