のん「自分が持っている怒りを直接的に表現している」ヒグチアイ書き下ろし楽曲「私にとって、怒りは原動力」
怒りは原動力として有効的
そんなのんさんとっての行動原理は”怒り“。 「私にとって、怒りは原動力としてすごく有効的です。エンジンを掛ける時にメチャクチャ力になります。使える怒りもあれば、使えない怒りもあり、使えない怒りが使える怒りに変わる時もあります。本当に頭が冴えてきて、言葉が溢れてきて、自分だったらって張り合う気持ちが出てくる……そういう怒りはエンジンになりやすいです。ただ、怒りの中でも湿っぽいというかドロドロして自分の皮膚が閉じていってしまうような感覚の怒りはあまり使えないですね」 近年は音楽のステージでも活躍しているが、23年6月に発表した楽曲『荒野に立つ』ではその歌詞に「ふざけんな」というフレーズが何度も出てくる。自身が登場しているミュージックビデオの映像からもエネルギッシュで“生”を通した”怒り“が伝わってくる。 「『荒野に立つ』はシンガーソングライターのヒグチアイさんが書き下ろして下さったんです。アイさんには自分が辿ってきた人生やキャリア、自分が落ち込んだこととか全部お話ししました。そのうえで作詞していただいた詞ですので、自分が直接、“ふざけんな”って言ったわけではないんですが、自分が持っている怒りを直接的に表現していると思います。『荒野に立つ』はそういう怒りが一番色濃く出ている楽曲だと思いますし、怒りのパワーに満ちていますよね」 のん 俳優・アーティスト。音楽、映画製作、アートなど幅広いジャンルで活動。2016 年公開の劇場アニメ『この世界の片隅に』で主人公すずの声を演じ、第38回ヨコハマ映画祭審査員特別賞を受賞。2022 年2月に自身が脚本、監督、主演の映画作品「Ribbon」公開 (第 24 回上海国際映画祭 GALA 部門特別招待作品)。同年9月、主演映画『さかなのこ』で、 第 46 回日本アカデミー賞「優秀主演女優賞」、第32回日本映画プロフェッショナル大賞「主演女優賞」を受賞。Netflix シリーズ『ポケモンコンシェルジュ』では、主人公ハルの声を務める。音楽活動では、2023年 6月に、ASIAN KUNG-FU GENERATION・元 GO!GO!7188 のノマアキコ&ユウ・堀込泰行・柴田隆浩(忘れらんねえよ)・ヒグチアイ・ひぐちけい・高橋幸宏らとコラボし、自身の楽曲も複数収録した2nd フルアル バム『PURSUE』をリリース。2024 年、第16 回伊丹十三賞を受賞。 鈴木一俊
鈴木一俊