前代未聞 6試合中3試合で相手棄権しマスターズ初の決勝へ オジェ アリアシム「奇妙」「一度もなかった」<男子テニス>
ムチュア・マドリッド・オープン
男子テニスのムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、レッドクレー、ATP1000)は3日、世界ランク35位のF・オジェ アリアシム(カナダ)と第30シードのJ・レヘチカ(チェコ)のシングルス準決勝が行われたが、レヘチカが第1セット3-3の場面で腰の負傷により棄権。オジェ アリアシムは今大会6試合中3試合で相手が棄権するという前代未聞の形で決勝に駒を進め、「ATPマスターズ1000」初優勝に王手をかけた。 【動画】無念の棄権、苦悶の表情を浮かべるレヘチカ 実際のシーン 23歳のオジェ アリアシムは今大会、1回戦で世界ランク78位の西岡良仁、2回戦で第19シードのA・マナリノ(フランス)を下すと、3回戦では同74位のJ・メンシク(チェコ)が第2セット途中で棄権したため4回戦に駒を進めた。 4回戦では第5シードのC・ルード(ノルウェー)を破り8強入り。その後、準々決勝では第1シードのJ・シナー(イタリア)と対戦予定であったが、シナーが試合前に棄権を表明し不戦勝で4強入りした。 迎えたこの日の準決勝の第1セット、両者キープを続け迎えた第6ゲームでレヘチカが腰の不調を訴えこのゲーム終了後にメディカルタイムアウトを取る。治療を終え一度はプレーを再開したレヘチカだったが、3ポイントをプレーしたところで苦悶の表情を浮かべその場に倒れこむと、試合の続行を諦め棄権を申請。オジェ アリアシムがまさかの形で「ATPマスターズ1000」初の決勝進出を果たした。 「ATPマスターズ1000」が1990年に創設されて以来、同グレードの大会において3試合で相手が棄権し決勝に進出するのは今回が初めての事態となった。 男子プロテニス協会のATP公式サイトにはオジェ アリアシムのコメントが掲載されている。 「これはクレイジーだ。これまで選手にこんなことが起きたことがあるのかわからない。僕にとっては奇妙な状況だよ。これまでのキャリアの中で、このような棄権が立て続けに起こることは一度もなかった。彼(レヘチカ)の背中が固まってしまったのを見たとき、何が起こっているのか信じられなかった」 「彼には本当に申し訳ないと思っている。僕自身も怪我をしたことがあるし、このような夜に試合に出て、勝ち進むことを望み、対戦相手と戦い、そしてプレーできなかったときの気持ちは誰もが想像できる。僕はイジー(レヘチカ)に同情しているし、日曜日に向けて準備することしかできないよ」 まさかの形で決勝に進むこととなったオジェ アリアシムは決勝で第7シードのA・ルブレフと対戦する。ルブレフは準決勝で第12シードのT・フリッツ(アメリカ)を下しての勝ち上がり。
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