コンビニおにぎりの味が劣化? 新商品激減の可能性も… セブン-イレブンが外資に買収されたら何が起こるのか
「インフラ機能を維持できるのか疑問」
また、生活インフラの観点から外資の買収を危惧するのは、コンビニジャーナリストの吉岡秀子氏である。 「例えばコンビニは、地震など災害時には要請に応じて物資を届ける『物資支援協定』を全国の自治体と結んでいます。帰宅困難者が発生した場合は『災害時帰宅支援ステーション』としてトイレなどを提供する取り決めもなされており、大雨などで河川が増水して危険を感じるような際には、近くのコンビニが自治体に報告するケースもあります」 さらに続けて、 「店の入口に、周知する“象のステッカー”を貼って『セーフティステーション』としても機能しています。これは助けを求められたら緊急通報したり、特殊詐欺を防いだり、また迷子や認知症の方を保護したりと、町の安全・安心拠点の役割を果たす活動です。小売業の枠を超え、こうして重要なインフラの役割を担っているコンビニが、外資に買収されても同じ機能を維持できるのか、非常に疑問です」(同) 同様の指摘は他の専門家からも。流通情報誌「激流」の加藤大樹編集長はこう語る。 「重要なのは、セブンなどのコンビニは小売りの最大手として流通を支え、そして食を通して消費者の暮らしを支える商店というだけでなく、すでに国内のインフラの一部となっている点です。ATMなどの銀行機能を備え、自治体の発行する書類を受け取ることもでき、夜間も営業していることから地域の防犯の役割も担っている。少子高齢化が進むさなか、特に過疎地などでは、コンビニは“地域の生命線”になっていると言っても過言ではありません」 9月12日発売の「週刊新潮」では、HD経営陣の本音や、1号店オープンを成し遂げた「コンビニの父」こと鈴木敏文・HD名誉顧問(91)のコメントを紹介している。
「週刊新潮」2024年9月19日号 掲載
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