窓の工夫8つ:条件の悪い敷地でも、明るく開放的な家を建てる
工夫4.北側しか開けていない敷地には、南に吹き抜け+高窓
住まいの3方に隣家があり、唯一、隣家がないのが北側という敷地。 「北向きの家でも、南から採光が得られるように工夫しましょう。たとえば、最上階の南側の角に吹き抜けを設け、高窓を設置すれば、北だけでなく、南からも採光が得られます。さらに天窓を取りつければ、降り注ぐ日差しが部屋全体を照らします。また、敷地に少しゆとりがある場合は、中庭をつくる方法も。中庭を介して南からの日差しが入って明るくなります」
工夫5.西日が入る場所は部屋の形状と窓の位置に工夫を!
西側に配置された部屋は、日差しが水平に近い角度で入射するため、西日がまぶしく感じられて敬遠されがち。 「あえて西側に窓をつくらないのも選択肢のひとつです。その場合は、部屋の形状にひと工夫を。部屋を上から見たときに四角形にするのではなく、凸状にするのです。西側の床の一部を張り出すことで、南面に壁ができます。そこに窓を取りつければ、南からの心地よい日差しが取り込めます。ほかに、西側の窓に遮熱ガラスを採用するのも有効です」
工夫6.明るさと耐震性は筋交い&フィックス窓で確保
「たとえば木造軸組工法の家で、1階の角部屋に窓をたくさんつけるなら、コーナー窓にするといいでしょう。角の柱を中心にして、両側に窓を取りつけるのです。一方は大きな引き違い窓に、もう一方は天井まであるフィックス窓。これにより窓の面積は大きくなります。そしてフィックス窓には、構造金物の筋交いを組み合わせて耐震性を確保しましょう」 筋交いを入れると出入りできないので、フィックス窓にするのがポイント。
工夫7.交通量が多い場所はトリプルガラスの窓で音を緩和
交通量の多い道路が近くにある家は、クルマの走行音が気になるものです。 「外の音が気になる場合は、窓にトリプルガラスを取り入れると効果的です。3枚のガラスにはさまれた2つの中空層により、外の音が緩和されます。次に効果的なのが、外窓に内窓を加えるパターン。この場合は、外窓と内窓の距離は10cmほどあるほうが、複層ガラスよりも音は静かになります」
工夫8.海辺の景色を楽しみたければ大きなフィックス窓
海が広がる雄大な景色を家の中で楽しむには、海沿いの家ならではの工夫が必要です。 「せっかくの景色なので、サッシで視界をさえぎらないように、大きなフィックス窓を取りつけるといいでしょう。海から吹きつける風が強いため、引き違い窓を取りつけたとしても、あまり開閉することはないと思います。それよりも、フィックス窓のサイドに、細い縦すべり出し窓を組み合わせましょう。必要に応じて採風ができるので便利です」 ※イラストはイメージです
日刊住まい編集部