子どもが進学せず「大工」になりたいと言っています。建設業は残業が多いイメージなのですが、将来性など含め大丈夫なのでしょうか…?
就職を考えるにあたって、職種によっては、大学卒でないと応募基準を満たさないこともあります。将来就職することを考えれば、子どもを大学に進学させたいと考える親は多いのではないでしょうか。 もしも、子どもが進学せずに職人になることを希望した場合、収入の安定や将来性などを心配する人もいるでしょう。今回は、大工を職業に選ぶ場合に知っておきたい、収入や資格など基本的なことを紹介していきます。
大工は年々減少している
大工就業者は、年々減少傾向にあります。国土交通省が公開しているデータを見ると、1980年にはおよそ93万7000人の大工就業者数がおり、1950年以降最多となっていました。ところが、2020年時点では29万8000人ほどまで減っています。 また、その半数近くが60歳以上の高齢者で、30歳未満の若い層は2万1000人ほどしかいません。このデータからも分かるように、大工は現在、深刻な人手不足に陥っています。
大工の主な仕事内容
では、大工の主な仕事内容や収入などについて見ていきましょう。 ・大工の仕事内容 大工は、木を中心とした建築物を建てるのが基本的な仕事です。一般住宅を専門とする大工もいれば、神社仏閣を手掛ける宮大工もいます。大工が取得できる国家資格として木造建築士が挙げられますが、2級建築士を取得している大工も存在します。 木造建築士が扱えるのは木造に限定されますが、2級建築士を持っていると鉄筋コンクリート造や鉄骨造まで扱うことが可能です。これらの資格を有していれば、設計から自分で手掛けることができます。 木造建築士、2級建築士の他には宮大工を目指せる建築大工技能士などの国家資格もあります。ただし、必ずしもこうした資格がないと大工になれないわけではありません。木造建築に必要な基礎知識と技術さえ身につければ、独立することも可能です。 ・ハウスメーカーの職人と大工の違い ハウスメーカーも一般住宅を請け負いますが、建物を建てる際のパーツは通常は工場で製造されています。建築現場を担当する職人は、工場で製造されたパーツを設計図に沿って組み立てていくのが主な仕事内容です。 それに対して、大工は細かい部材の細工から現場での組み上げまですべて自分で行います。そのため、木材に関する知識や高い技術を持っている人が多いと言えます。