明大・宗山塁

【球界ここだけの話】広島出身で現在は大リーグ・カブスに所属する鈴木誠也を発掘したスカウトがベタほれしている。広島は10月11日に広島市の球団事務所でスカウト会議を開き、24日のドラフト会議で明大の宗山塁内野手（4年）を1位指名を決定。〝12球団最速公表〟で最大限の誠意を示した。 【写真】中谷＆天心ら出場のボクシング会場に登場したカブス・鈴木誠也 「すべてでレベルが高いですし、誰が見ても良い選手。すべてにおいて華がある。スター選手が欲しいなら、宗山くんしかいないでしょう！！」 関東地区担当の尾形佳紀スカウト（46）はそう語る。尾形氏は現役時代は内野と外野の両方を守れるユーティリティー選手として活躍し、引退後スカウトに転身。2016～18年のリーグ3連覇に貢献した鈴木（13年ドラフト2位、東京・二松学舎大付高）、田中広輔（14年同3位、JR東日本）の獲得に尽力した。 今回のスカウト会議で猛プッシュした宗山は広島・三次市出身で広陵高から明大に進学した。2年春の東京六大学リーグでは打率・429で首位打者に輝き、3度のベストナイン受賞。4年秋の今年9月には同リーグ史上12人目＆明大史上2人目の通算100安打＆10本塁打を達成した。チームの遊撃手を務め、軽快な動きと安定した送球で守備でも高い評価を受ける。 カープは今季25歳の矢野が強肩と球際の強さを武器に遊撃の定位置をつかみ、遊撃から三塁に回った24歳の小園が勝負強い打撃で主軸に成長しつつある。二塁手部門で13年から10年連続でゴールデングラブ賞を受賞した34歳の菊池も安定した守備力を発揮しているが、宗山が加われば、内野陣はさらに盤石となる。 「明治大学でキャプテンをやっているし、（3月に右肩甲骨骨折で試合に）出られない（ときも、試合中、ベンチで）前に出て、声を出しているところを見ている。人間性にも問題ない」 今ドラフトでは宗山と最速154キロ左腕・金丸夢斗（関西大）の2人は競合必至とされる。1位で競合した際にくじを引くのは新井監督。運命の赤い糸を引き寄せるか。（柏村翔）